宮野秋彦

宮野 秋彦のプロフィール

宮野 秋彦（みやの あきひこ、1923年10月15日 - 2016年12月7日）は、日本を代表する建築学者であり、名古屋工業大学の名誉教授です。彼は日本熱物性研究会の元会長であり、日本建築学会の副会長を務めた経歴を有しています。

生い立ちと学歴

名古屋に生まれた宮野は、1944年に名古屋高等工業学校（現・名古屋工業大学）建築科を卒業しました。その後、1945年に東京工業大学の工学部建築学科を卒業し、1962年には同大学で工学博士の学位を取得しました。彼の学問的な旅は、助手から助教授、教授に至るまで、東京工業大学での多岐にわたる役割を経て、名古屋工業大学での教授職を務めました。

教授としての活動

宮野は名古屋工業大学を退官後、福山大学で教授としての職務を引き続き遂行し、建築学の発展に貢献しました。彼の業績は、日本建築学会からも評価され、1972年には同学会賞を受賞。さらに、日本熱物性研究会の会長を1986年に就任し、1987年には日本建築学会の副会長としても活躍しました。その功績により、彼は2001年に勲三等瑞宝章を受章し、学界における名誉も確立しました。

研究と業績

宮野は、建築環境工学の第一人者として知られています。特に、半澤重信との倉の調査など、彼の研究は多岐にわたりました。その結果、中尊寺金色堂の覆堂改修工事などに関与し、文化財の保存と修復に重要な役割を果たしました。彼の研究成果は、日本建築学会及び日本熱物性学会の名誉会員としての地位を与える要因となりました。

著書

宮野秋彦は、建築に関する著作も数多く残しています。1981年に出版された『建物の断熱と防湿』は、建物の保護や防湿に関する基本的な知識を提供するもので、業界内で高い評価を得ました。その後も彼は様々なテーマを取り上げた書籍を執筆しており、1992年の『雨漏りの話』、1994年の『古代日本の屋根 第2版』や『屋根の知識』、1996年の『雪と屋根』、そして2000年に出版された『屋根の物理学』など、建築学や環境工学における重要な参考文献となっています。

影響と評価

宮野の業績は、日本の建築学界において多大な影響を及ぼしました。特に、彼の研究や著作は、後進の学者や実務者にとって貴重な指針となり、彼の考え方や技術は現代の建築環境工学において不可欠な要素の一つとなりました。2016年に亡くなるまで、宮野は日本の建築学およびその関連分野における重要な存在であり続けました。

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