宵待草 (1974年の映画)

宵待草（1974年の映画）

『宵待草』は、1974年に日活が製作した映画。大正時代を舞台に、一人の大学生がアナーキストとの交流を通じて、愛と裏切り、そして時代の波に翻弄される姿を描いています。監督は神代辰巳。

あらすじ

大正時代。セックスをすると激しい頭痛に悩まされる大学生・谷川国彦は、亡き母の遺産を浪費した父への反発から、アナーキストに傾倒し、彼らと行動を共にします。継母の勧めで草津へ療養に出かけた国彦は、「北天才」と名乗る男と知り合い親交を深めます。そこで再会した女性・北条寺しのと惹かれあうも、北は謎の死を遂げてしまいます。

帰京後、国彦はアナーキスト団長の命令で、裏切り者を殺害した副団長の罪を被ることに。その後、右翼の大物の孫娘である、しのを誘拐する計画が実行されます。身代金の受け渡し現場で、国彦と副団長は金を奪い、しのを連れて逃亡。しかし、身代金が偽札だと判明し、彼らは右翼とアナーキストの両方から追われる身となります。

副団長の故郷である東北地方へ逃避行を続ける3人。銀行強盗で得た資金で満州へ渡ろうと計画しますが、副団長は新聞で団長の末路を知り、自首を決意します。国彦は、しのと満州へ行く約束をしますが、それは嘘でした。一人船に乗った国彦は、しのを追ってきた右翼に殺されてしまいます。浜辺で一人残されたしのの姿で物語は幕を閉じます。

キャスト

北条寺しの：高橋洋子
谷川国彦：高岡健二
平田玄二：夏八木勲
黒木大次郎：青木義朗
玄二の父：殿山泰司
北条寺：浜村純
谷川武彦：仲谷昇
カントク：江角英明
山口：吉田次昭
北天才：荻島真一
谷川美代子：司美智子

スタッフ

監督：神代辰巳
脚本：長谷川和彦
撮影：姫田真佐久
美術：横尾嘉良
音楽：細野晴臣（ティン・パン・アレー）

音楽

音楽は、細野晴臣が担当。当時、細野晴臣が在籍していたティン・パン・アレーが担当。

評価

『宵待草』は、退廃的な雰囲気と鮮烈な映像美、そして細野晴臣による音楽が融合した、独特の世界観を持つ作品として評価されています。長谷川和彦の脚本、時代の雰囲気を出す横尾嘉良の美術も評価されています。

映像ソフト

2013年6月14日にハピネットからDVDが発売されました。

関連項目

青春の蹉跌
三時の子守唄

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