家永遵嗣

家永遵嗣について

家永遵嗣（いえなが じゅんじ）氏は、1957年4月生まれの日本の歴史学者です。学習院大学文学部教授として、日本中世史を専門に研究・教育活動を行っています。

プロフィール

千葉県出身で、1976年に岡山県立岡山朝日高等学校を卒業後、1982年に東京大学文学部国史学科を卒業。その後、東京大学大学院人文科学研究科に進み、1988年に修士課程を修了、1992年に博士課程を単位取得退学しました。1992年から1995年まで東京大学の助手として勤務した後、1995年に成城大学短期大学部の助教授、1999年に学習院大学文学部史学科の助教授に就任。2006年に教授に昇格し、現在に至ります。

研究内容

家永氏の研究の中心テーマは、室町幕府の将軍権力や、戦国時代の政治動向です。特に、足利将軍家の権力構造や、各地の戦国大名の動向について、詳細な史料分析に基づいた研究を行っています。

博士論文を基にした著書『室町幕府将軍権力の研究』は、非売品ながらも、室町幕府研究における重要な業績として知られています。また、数多くの学術論文を発表しており、中世史研究の発展に大きく貢献しています。

親族

東京教育大学名誉教授の家永三郎氏は、家永遵嗣氏の父の従兄弟にあたります。

著書・論文

主な著書、共著、寄稿、論文は以下の通りです。

著書

『東京大学日本史学研究叢書1　室町幕府将軍権力の研究』（東京大学大学院人文科学研究科国史学研究室、1995年）

共著・寄稿・執筆分担

『中世の法と政治』（吉川弘文館、1992年）
『角川新版日本史辞典』（角川書店、1996年）
『静岡県史通史編2中世』（静岡県、1997年）

主要論文

「足利義教初期における将軍近習の動向」（『遥かなる中世』9、1988年）
「室町幕府奉公衆体制と『室町殿家司』」（『人民の歴史学』106、1990年）
「足利義詮における将軍親裁の基盤-「賦」の担い手を中心に-」（石井進編『中世の法と政治』吉川弘文館、1992年）
「『別奉行』制の源流と引付方」（『遥かなる中世』12、1992年）
「堀越公方府滅亡の再検討」（『戦国史研究』27、1994年）
「北条早雲の小田原奪取の背景事情-全国的な政治情勢との関わりから-」（『おだわら-歴史と文化-』9、1995年）
「足利義満と伝奏との関係の再検討」（『古文書研究』41・42合併号、1995年）
「明応二年の政変と北条早雲の人脈」（『成城大学短期大学部紀要』27、1996年。『日本史学年次別論文集 中世1　1996年』学術文献刊行会、1999年に再録）
「将軍権力と大名との関係を見る視点」（『歴史評論』572、1997年）
「伊勢宗瑞（北条早雲）の出自について」（『成城大学短期大学部紀要』29、1998年）
「「三魔」―足利義政初期における将軍近臣の動向」（『日本歴史』616、1999年）
「伊勢盛時（宗瑞）の父盛定について」（『学習院史学』38、2000年）
「足利義材の北陸滞在の影響」（『加能史料会報』第12号、2000年。加能史料編纂会編『加賀・能登　歴史の扉』石川史書刊行会、2007年に再録）
「軍記『応仁記』と応仁の乱」（学習院大学文学部史学科編『歴史遊学』山川出版社、2001年）
「軍記と史実の間」（『学習院史学』41、2003年）
「北陸地方における戦国状況の形成」（『加能史料研究』第16号、2004年）
「室町幕府の成立」（『学習院大学研究年報』第53号、2008年）
「建武政権と室町幕府との連続と不連続」（『九州史学』154号、2010年）

研究活動

家永氏は、長年にわたり日本中世史の研究に携わり、室町幕府や戦国時代の政治・社会に関する多くの業績をあげてきました。その研究は、史料に基づいた緻密な分析を特徴とし、中世史研究に大きな影響を与えています。また、学習院大学では、多くの学生を指導し、後進の育成にも力を注いでいます。

外部リンク

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教員紹介 - 学習院大学
* 研究者情報 - 学習院大学

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