寂光寺

寂光寺（じゃっこうじ）

寂光寺は、京都府京都市左京区に位置する顕本法華宗の寺院であり、その山号を妙泉山と称します。宏師寮法縁に属し、深い歴史と文化を持つ寺院です。

歴史

寂光寺の歴史は、室町時代に日淵上人が近衛室町に久遠院を建立したことに始まります。その後、京極二条へと移転し、空中山寂光寺と名を改めました。日淵上人は、安土宗論にも参加しましたが、宗論では敗北を喫しました。しかし、その後は弟子の教育に尽力し、その中から名僧・日海を輩出しました。この日海こそが、後に囲碁界で名を馳せる本因坊算砂となる人物です。

日海は、寂光寺の塔頭である本因坊に住み、その卓越した碁の腕前は当時、無敵を誇り、織田信長から「名人」と称えられました。これにより、本因坊という名称は囲碁界における家元の地位を示すものとなり、代々襲名されるようになりました。なお、本因坊道策の時代に、本因坊家は寂光寺から江戸へと拠点を移しています。

近年、寺院は妙泉山寂光寺と改称されました。

年表

1578年（天正6年）：日淵上人が室町近衛に久遠院を建立。
1579年（天正7年）：安土宗論に久遠院から日淵上人が参加。
1590年（天正18年）：豊臣秀吉の命により、京極二条へ移転。
1591年（天正19年）：妙泉寺の寺内に移転合併し、空中山寂光寺と改称。
1708年（宝永5年）：宝永の大火により焼失。
1708年（宝永5年）：現在の地に移転し、再建。

寺宝

寂光寺には、以下のような貴重な寺宝が所蔵されています。

法華経八巻
竹雁図
四季図屏風
初代算砂日海上人肖像画
囲碁狂歌
近衛関白公拝領碁盤
碁器

これらの寺宝は、寂光寺の歴史と文化を物語る上で重要な役割を果たしています。

年中行事

寂光寺では、年間を通して様々な行事が執り行われます。

3月：春季彼岸会
5月16日：初代本因坊算砂上人報恩会
9月：秋季彼岸会
11月：宗祖日蓮大聖人御式会

これらの行事は、地域の人々にとっても重要な年中行事となっています。

その他

寂光寺の境内には、以下の本因坊家の墓所があります。

本因坊算砂墓所
本因坊算悦墓所
本因坊道悦墓所
* 本因坊道策墓所

これらの墓所は、囲碁界の歴史を語る上で欠かせない場所となっています。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、寂光寺に関するカテゴリがあります。)


寂光寺は、法華宗の寺院であると同時に、囲碁界の歴史とも深く関わる寺院です。その歴史と文化は、多くの人々に愛され、今日に至っています。

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