富士 (列車)

富士（列車）の歴史と概要

富士（ふじ）は、2009年3月14日まで九州旅客鉄道（JR九州）や複数のJRグループ会社が運行していた寝台特急列車です。この列車は、東京駅と大分駅を結び、東海道本線、山陽本線、日豊本線を経由していました。日本最長運転距離を有する列車として知られ、寝台車を利用した快適な夜行の移動手段として多くの旅行者に親しまれてきました。

運行の開始と発展

富士は、1964年10月1日に初めて運行を開始しました。当初は東京駅から大分駅までの区間を24時間以上かけて走り、後に西鹿児島駅（現・鹿児島中央駅）まで延長されました。この時、富士は1,574.2kmの長距離を走る日本最長の定期旅客列車としての地位を確立しました。

その後、1980年には運行区間が宮崎駅まで短縮され、更に1990年に南宮崎駅まで変更されました。利用者の減少が続き、1997年には大分駅まで再度短縮されました。2005年には「はやぶさ」との併結運転を開始しますが、運行終期には乗客数が激減し、2009年に両列車は廃止されました。

列車名の由来

「富士」という名前は、日本の象徴である富士山に由来しています。この愛称は1929年に鉄道省によって初めて命名され、「日本最古の列車愛称」としても知られています。戦後には復活し、1964年まで東海道本線の特急列車名としても使用されていました。

最終運行状況と廃止

富士は、下り列車が1番、上り列車が2番としてフル区間を運行しました。停車駅には東京、名古屋、大分などがあり、乗客は寝台車や立席特急券を使っての利用が可能でした。しかし、2009年には乗車率がさらに低下し、最終的には乗客数に達しないまま廃止に至りました。

乗車車両と編成

富士号では、基本的に14系客車が使用されました。熊本車両センターに所属していたこれらの車両は、特に寝台車や食堂車が特徴で、利用者に快適な旅を提供していました。富士号では、特に銀帯で装飾された車両が多数派を占めており、豪華な旅行体験を演出していました。

復活運転と記念イベント

富士は2009年に廃止されましたが、2014年に東京駅開業100周年を記念して、臨時列車が復活運転されました。この特別列車は東京から伊東まで運行され、当時の名列車が再び多くの人々に親しまれる機会となりました。

まとめ

富士は、東京と九州を結ぶ長距離の寝台特急列車として多くの歴史を刻んできました。眠りながら移動する贅沢なひとときを提供し、多くの人々に愛されたその姿は、今では懐かしい思い出となっています。今後もその歴史や文化は語り継がれ、多くの人に影響を与え続けるでしょう。

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