富士橋 (富士川)

富士橋の概要

富士橋（ふじばし）は、山梨県南巨摩郡富士川町に位置し、明神町と駅前通りを結ぶ富士川に架かる山梨県道4号市川三郷富士川線の橋です。この橋は、地域の交通を支える重要なインフラとして機能しており、活荷重はB活荷重で、形式は鋼の4径間連続箱桁橋となっています。長さは304.0メートル、支間割は69.1メートル、97.0メートル、63.0メートル、70.7メートルの4つに分かれています。車道の幅は7.50メートルで、片側に2.50メートルの歩道を備えており、これにより歩行者の安全性も考慮されています。

構造と施工

橋の床版は鋼製で、総鋼重は443トンに及びます。施工は三井・楢崎・横河NS特定建設工事共同企業体と、横河・高田特定建設工事共同企業体によって行われ、工法にはトラッククレーン・ベント工法及び手延べ送り出し工法が採用されました。事業主体は山梨県峡南建設事務所で、地域住民の利便性向上を目指して設計されています。

歴史的背景

富士橋が架けられる前、地元の住民は黒沢の渡しや他の渡し船を利用して、身延線の鰍沢口駅にアクセスしていました。しかし、渡し船では自動車での往来ができず、豪雨などで川の増水が起きると交通が途絶えることもありました。この問題を解決するために、1950年には270メートル、幅5.5メートルのトラス橋が架けられ、鰍沢町や隣接する増穂町の住民が利用するようになりました。この橋を利用することで、彼らは鰍沢口駅への移動が容易になったのです。

その後、地域のインフラが整備され、1976年には三郡西橋、1997年には富士川大橋が開通しました。これにより増穂町の住民は新たなアクセス手段を得ましたが、鰍沢町の住民は依然として富士橋を利用しており、現在も多くの人々がこの橋を通じて鰍沢口駅を利用しています。

新しい富士橋の建設

しかし、現在の橋が完成してから70年が経過するにつれ、道幅が狭くなってきたことや、橋の老朽化が懸念されるようになりました。そこで、2016年から新しい橋の建設が始まり、2023年の8月には304メートル、幅8メートルの新しい桁橋が完成しました。新橋の供用が開始されたことで、地域住民にとってより便利で安全な交通手段が提供されることとなりました。

富士橋は地域の重要な交通手段としての役割を果たし続け、今後も多くの人々によって利用されることでしょう。

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