富士清流精舎

富士清流精舎について

富士清流精舎は、山梨県南巨摩郡富沢町、現在の南部町に位置していたオウム真理教の宗教施設です。公安調査庁や警察庁ではこの施設を「清流精舎」と称しています。1990年に福士川の支流沿いに建設され、この地点での活動が何をもたらすのかが注目されていました。 騒音や異臭が発生することから、施設は当初より周囲からの反発を受けていました。建物は高さ4メートルの鉄板で囲まれ、小屋の複数ある構造になっていました。

銃器製造の経緯

1993年頃に、オウム真理教はロシアで作成された図面を基に銃器の設計を始めました。この活動は、1994年のオカムラ鉄工乗っ取り事件で得られた大型工作機械を用いて行われ、様々な銃器が製造される拠点となりました。そして1995年の元日には、自動小銃1丁の制作が完了しました。施設はそれ以降、上九一色村に存在したサティアンに似せた工場風の形態に改築されていました。教団は最終的に、1,000丁の自動小銃を製造する計画を立てていたとされています。

捜査とその後の対応

しかし、1995年3月にはオウム真理教の施設に警察による強制捜査が行われるとの情報を受け、教団は急遽小銃製造を断念しました。その後、図面を焼却したり、銃器の部品を隠したりするなど、組織全体での隠蔽工作が行われました。 この際、村井秀夫が取材に訪れたテレビクルーに対し、「銃器も刃物もつくってません」といった虚偽の証言を行い、捜査を逃れようとしていました。

現在の富士清流精舎

強制捜査の後、この施設は解体され、その跡地は現在、広く公園として利用されています。この公園は、かつてのオウム真理教の影の歴史と対比するかのように、穏やかで静かな空間となっています。 富士清流精舎の出来事は、オウム真理教の一連の事件の中で特に緊迫したものであり、今後も記憶に留めておくべき重要な歴史の一部として語り継がれることでしょう。

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