富士見ドラゴンブック

富士見ドラゴンブックの概要

富士見ドラゴンブック（ふじみドラゴンブック）は、KADOKAWAが展開する文庫レーベルであり、特にテーブルトークRPG (TRPG) を中心としたゲーム関連の書籍を扱っています。1985年に創刊されたこのレーベルは、現在でも定期的に新刊を発行し続けており、その歴史は長いものになっています。

ジャンルと発行内容

富士見ドラゴンブックの主な出版内容は、TRPGに関連するルールブック、サプリメント、リプレイ、ガイドブックなどです。中でも「○○がよく分かる本」シリーズは、初心者にTRPGを理解してもらうための良質な資料として広く知れ渡っています。また、テーブルトークRPGに留まらず、富士見書房が出版するテーブルゲーム関連の文庫も同レーベルから刊行されています。2010年にはリニューアルを行い、コンピュータゲームのノベライズも手掛けるようになりました。

グループSNEとの関係

富士見ドラゴンブックは、黎明期からグループSNEとともに成長を遂げてきました。グループSNEが関与するゲームコンテンツの大部分は、このレーベルからリリースされており、TRPGやリプレイの発展に大きな影響を与えています。2000年代以降は、ファーイースト・アミューズメント・リサーチとの関係も深まり、取り扱うコンテンツが増加しました。

リプレイの文化

富士見ドラゴンブックはリプレイの出版に非常に力を入れており、他のレーベルに比べて圧倒的な数を誇ります。ただし、リプレイは元となるゲームの人気に依存しているため、商業展開が終了した作品は絶版に近い状態になってしまうことがあります。古くから愛されてきたリプレイでも、現在では新刊の出ないものが多く存在しています。

創刊から現在までの道のり

創刊初期の1980年代は、ゲームブックが中心的な役割を果たしていました。最初に刊行されたのは『パックス砦の囚人』というゲームブックで、その後も様々な英米の作品を日本語化していきました。徐々にTRPGのガイドブックやハウ・ツー本も刊行され、特に『D&Dがよくわかる本』などは当時の若者たちにTRPGの魅力を伝える重要な役割を果たしました。

1989年に発表された自社オリジナルのTRPGルールブック『ソードワールドRPG基本ルールブック』は、特に話題となり、日本のTRPGブームを引き起こすきっかけのひとつとなりました。この後も、他のTRPGタイトルのハウ・ツー本やガイダンス本を出版し、TRPGの普及に貢献しました。

冬の時代とリニューアル

1990年代半ばにはTRPGの人気が衰え、「冬の時代」と呼ばれる状況に突入しました。その影響で、富士見ドラゴンブックからのTRPG関連の出版点数は減少し、いくつかのタイトルは細々と続くことになりました。しかし、2000年代にはリプレイの出版点数も徐々に回復し、再び多くのリプレイが出版されるようになりました。

2010年のリニューアル以来、コンピュータゲームのノベライズやTRPG関連の外伝小説の刊行も行われ、ドラゴンブックは新たな展開を迎えています。創刊33周年を迎えた2019年には、新たなレーベル「ドラゴンノベルス」が設立され、さらなる広がりを見せました。

まとめ

富士見ドラゴンブックは、長い歴史を持つTRPG関連の老舗文庫レーベルであり、多くのファンに支持されています。リプレイやゲームブックには強みがあり、今後も新しいコンテンツを提供し続けることでしょう。

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