富士通特機システム

富士通特機システム株式会社について

富士通特機システム株式会社（略称：TSL）は、過去に存在した富士通グループの完全子会社であり、防衛関連機器の維持管理および設計開発を主な業務としていました。設立当初から多くの防衛分野での技術力を培っており、特に航空機搭載機器や赤外線イメージング装置、レーダ装置などのメンテナンスを行い、陸・海・空にわたる自衛隊のニーズに応えてきました。また、独自の技術を活かして医療用のサーモグラフィ装置の開発にも取り組んでいました。

会社の概要と業務内容

富士通特機システムは、防衛電子機器のメンテナンスを主な業務とし、様々な種類の装置のトータルメンテナンスを手掛けていました。具体的には、航空機搭載のコンピュータやディスプレイ、捜索監視用の赤外線イメージング装置、射撃管制用のレーダー装置、そして無線機器が含まれます。これらの富士通製品を中心に、各種輸入機器のメンテナンスにも対応していました。

更に、同社は防衛分野で培った赤外線撮影技術を応用し、医療分野へもその技術を発展させ、医療用サーモグラフィ装置の製造を行うなど、新しい市場への挑戦も行っていました。

主要事業所

富士通特機システムの主要な事業所は以下の通りです：

• - 本社事務所: 東京都千代田区五番町1-1 野村不動産市ヶ谷ビル
• - 市ヶ谷ソリューションセンター: 東京都新宿区四谷本塩町4-41 住友生命四谷ビル
• - 那須事業所: 栃木県大田原市下石上1388
• - 岐阜事業所: 岐阜県各務原市蘇原青雲町5-72-1 MTビル

歴史的な経緯

1985年に設立された富士通特機システムは、当初は富士通川崎工場内に本社を置きながら、防衛庁向けの納入装置やシステムの修理・保守を始めました。その後数年のうちに、全国各地にサポートセンターを開設し、業務を拡大していきました。1986年には本社を横浜市に移転し、その後も鹿児島、沖縄、岐阜などに事業所を設立し、着実に基盤を固めていきました。

さらに、2000年代には医療用の赤外線装置の開発を進め、2010年には本社を再度移転し、社員数も増加していきました。しかし、その後の市場環境の変化や技術の進化に伴い、業務の見直しが求められるようになりました。

2023年には、富士通防衛グループの一員として、同じく富士通の完全子会社である富士通ディフェンスシステムエンジニアリングおよび富士通システム統合研究所と合併し、新たに「富士通ディフェンス＆ナショナルセキュリティ」が設立され、富士通特機システムの歴史に終止符を打つことになりました。

これにより、富士通特機システムはその存在を消すこととなり、富士通の防衛関連分野における事業は新たな組織体制のもとで新たな展開を見せています。

もう一度検索