富士通総研

株式会社富士通総研について

株式会社富士通総研（FUJITSU RESEARCH INSTITUTE）は、富士通グループに属するシンクタンクとして、長年にわたり日本の公共部門を対象とした調査研究とコンサルティングサービスを提供してきました。本社を東京都大田区に構え、略称FRIとして知られています。富士通研究所とは異なる組織であり、その独立性が保たれていました。

歴史

富士通総研の歴史は、1986年の富士通システム総研設立に遡ります。その後、1990年にコンサルティング部門が創設され、1992年からは富士通総研フォーラムが毎年開催されるようになりました。1996年には経済研究所が発足し、1997年には現在の社名である富士通総研に変更。以降、経済研究フォーラムの定期開催や、富士通本体のコンサルティング機能統合など、事業規模を拡大してきました。

2020年には民間企業向けコンサルティング部門が分離し、公共部門に特化したシンクタンクとしての専門性を高めました。

しかし、2025年4月1日付で富士通に吸収合併されることが決定しており、長年の歴史に幕を閉じることになります。

経営理念

富士通総研は、顧客本位、独自能力、社会との調和、社員重視という4つの経営視点を重視し、富士通グループの「知」を結集することで、企業価値の向上を目指してきました。また、富士通株式会社のパーパスである「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」を共有し、

「国や地域の政策や社会･産業基盤に対し、新たな発想で全体最適を導き出すコンサルティングに特化し、よりよい日本の未来の創造と、最先端の社会創りに貢献する」

ことをミッションとしてきました。公共部門への深い知見と専門性を活かし、より良い社会づくりに貢献することを使命としていました。

主な研究員等

富士通総研には、著名な研究者や実務家が多数在籍していました。

野中郁次郎（元理事長・一橋大学名誉教授）
福井俊彦（元理事長・前日本銀行総裁）
島田晴雄（前理事長・現慶應義塾大学名誉教授、千葉商科大学学長）
早川英男（元エグゼクティブ・フェロー・元日本銀行理事）
根津利三郎（元エグゼクティブ・フェロー・経済産業研究所理事）
安部忠彦（元エグゼクティブ・フェロー・立教大学大学院特任教授）
柯隆（元主席研究員）
梶山恵司（元主任研究員・前内閣官房国家戦略室内閣審議官）
岡本行夫（元特命顧問・外交評論家）
木下敏之（元客員研究員・前佐賀市長）
高橋洋（元主任研究員）

これらの専門家たちは、それぞれの分野で深い知識と経験を持ち、富士通総研の活動を支えてきました。

組織の変遷

富士通総研は設立以来、組織体制や事業内容にいくつかの変遷がありました。コンサルティング部門の設立、経済研究所の創設、富士通本体のコンサルティング機能統合、そして公共部門への特化など、時代と社会のニーズに合わせて組織を変化させてきました。これらの変化は、富士通総研が常に社会の動向を捉え、最先端の知識と技術を提供しようと努めてきた証です。

富士通総研の解散と今後の展望

2025年4月、富士通総研は富士通に吸収合併され、その組織としての歴史に幕を下ろします。長年にわたり、日本の社会と産業の発展に貢献してきた富士通総研の活動は、この合併をもって新たな段階へと移行することになります。これまで培ってきた知見や人材は、富士通グループの中で引き続き活かされ、より良い社会の実現に向けた取り組みが継続されることが期待されます。

外部リンク

富士通総研
* 新・地方自治フォーラム

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