富山地方鉄道デキ14730形電気機関車

富山地方鉄道デキ14730形電気機関車について

富山地方鉄道デキ14730形電気機関車は、かつて富山地方鉄道に所属していた直流電気機関車です。1947年に東京芝浦電機で製造されたこの機関車は、戦時標準設計による「東芝戦時型」および「東芝標準型」として知られています。日本各地の鉄道事業者にも同形機が導入されており、特に東武鉄道や西武鉄道、京成電鉄などで見ることができました。

この機関車は、もともと関西配電がダム建設用に製造したものでした。その後、富山地方鉄道へ譲渡され、当初はデキ30形（31番）と呼ばれていましたが、1949年に電動機の出力によって形式を再分類することが決定され、デキ14730形（14731）へと改称されました。これにより、より詳細な機関車の性能や規格が表されました。

デキ14730形の特徴として、勾配区間用に発電ブレーキを装備している点が挙げられます。これにより、列車の運行において安定した性能を発揮し、より高い安全性を実現しました。また、無線通信装置も搭載されており、除雪作業にも使用されたため、様々な場面で活躍しました。

全長は11,050mm、全幅は2,838mm、全高は4,100mmで、運転整備重量は40.0トンです。この機関車は直流1500Vの架空電車線方式に対応しており、軸配置はB-Bとなっています。台車は板台枠形式で、主電動機はSE130C型を4基搭載し、1時間あたりの定格出力は440kWです。伝達方式は吊り掛け式で、抵抗制御による2段組み合わせ制御を採用しています。ブレーキ方式としては空気ブレーキに加え、発電ブレーキと手ブレーキも装備されています。

1999年12月31日をもってデキ14730形は除籍されましたが、名残惜しさを感じさせるように、2007年3月27日には除籍された他の機関車とともに稲荷町テクニカルセンターを出庫し、上市駅まで自走して牽引を行いました。その後、同年の3月29日までに上市駅構内で解体されました。

デキ14730形の歴史は、戦後の日本の鉄道技術の進化を象徴するものとも言え、鉄道ファンや技術者にとって興味深い存在となっています。特にその設計は、当時の技術の集大成として、現在でも評価されることが多いです。

関連項目

• - 東芝製戦時標準型電気機関車に関する項目
• - 宮城電気鉄道ED35形電気機関車
• - 国鉄ED37形電気機関車
• - 東武ED4010形・ED4020形電気機関車
• - 西武1形電気機関車
• - 西武31形電気機関車
• - 京成デキ1形電気機関車
• - 名鉄デキ600形電気機関車
• - 南海ED5151形電気機関車
• - 西鉄ED200形電気機関車

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