富山地方鉄道7000形電車

富山地方鉄道7000形電車

富山地方鉄道7000形電車は、富山軌道線で使用される路面電車で、2023年現在、10両が運行されています。日本車輌製造によって1957年から1965年にかけて製造されたこの車両は、元々東京都電8000形をモデルにしており、全22両が製造されましたが、運用中の車両は限定されています。終戦後、交通の発展に寄与してきた7000形電車は、観光や通勤に利用され、富山の交通風景の一部となっています。

車両の構造と特徴

7000形電車の外装は、伝統的なグリーンとベージュのツートンカラーを基にしていますが、7000形の導入により7018号車を除いて新しい色に塗り替えられました。また、屋上には電飾広告を取り付けた車両もあり、全面広告を掲出する車両も存在します。車内はロングシート仕様で、定員は製造年によって異なりますが、7001から7011までは85人、7012以降は90人となっています。

駆動方式と機器

7000形の駆動方式は吊掛式であり、抵抗制御の間接非自動制御方式を採用しています。初期の7001から7003・7005から7011両は珍しい構造の台車を装備していましたが、騒音と振動の問題から早期に廃車になりました。1970年代には、列車無線の取り付けやワンマン運行化の改造が施されています。

冷房化とレトロ電車への進化

1984年から1989年にかけて、全車両が冷房化され、快適な運行が可能となりました。この改造により、屋根上に三菱製のユニットクーラーが取り付けられており、車両全体の快適性が大幅に向上しています。また、7015号車には2005年から2008年にかけて、地上デジタルテレビ放送のデモ用にテレビが搭載されるなど、バラエティに富んだ運用がされています。

2014年には7022号車が「レトロ電車」としての改造を経て、特別運行が開始されました。この電車は、旧型電車のデザインを再現したもので、観光客や地元の人々に人気があります。レトロな雰囲気を大切にしながらも快適な乗車体験が提供されています。

廃車と新形式への移行

7001から7011までの車両は、騒音や振動の問題から優先的に廃車され、1993年にはさらに多くの車両が除籍されました。その後、超低床の新形式T100形の導入が進められており、7013・7014号車も廃車状況にあります。富山地方鉄道7000形電車の歴史は、地域の交通において重要な役割を果たしており、今後の運行や活用に注目が集まっています。

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