富山地方鉄道8000形電車

富山地方鉄道8000形電車

富山地方鉄道8000形電車は、特に富山軌道線において運行される路面電車の車両です。その正式な名称はデ8000形で、2020年時点では5両が稼働しています。この電車は、富山軌道線が開業から80年を迎えることを機に、また冷房装置設置の困難さから、以前のデ7000初期型車両の置き換えを目指して1993年に製造されました。日本車輌製造によって製造された5両（8001 - 8005）が同年7月27日に竣工し、運用を開始しました。

この新しい形式は、1965年に登場したデ7000形の最終増備車から実に28年ぶりの新造車両であり、性能や客室の設備面において大幅に進化しています。その結果、乗務員や乗客からは温かく迎え入れられています。特に、デ8000形の導入によって、富山市内線の車両の冷房化率は100パーセントに達しました。

車体デザイン

デ8000形の外観デザインは、従来のデ7000形から大きくリニューアルされ、軽やかで開放感のあるスタイルに仕上げられています。前面には大型の一枚窓が採用され、行先表示器はその内部に配置されています。また、側面の窓は固定式と開閉式（内倒れ式）が混在しており、サイズも従来型よりも拡大されています。乗降扉は前方と中間に2つあり、どちらも大型の窓を持った折り戸です。特に中扉は、車椅子利用者への配慮から、2名が並んで乗車できる両開き式4枚折り戸が使用されています。乗降口は広幅で2段のステップがあり、乗客がスムーズに乗降できるように設計されています。客室内はグレーを基調としており、大きな窓が明るい雰囲気を演出していますが、車椅子スペースが設けられたことにより、乗車定員は90名から66名に減少しました。

主要機器

運転台には主幹制御器が装備されており、これはデッドマン装置付きの1軸ツーハンドル式です。操作は左右どちらの手でも行うことができます。制御方式はVVVFインバータ制御（ATR-M260-RG629D）で、駆動は平行カルダン方式です。また、集電装置にはシングルアーム式パンタグラフが採用されており、これらは富山地方鉄道において初めての採用となりました。

運用状況

1993年7月30日から、デ8000形は一般営業運転に投入されましたが、基本的には富山港線や富山都心線には乗り入れておらず、2024年7月中旬より営業列車として富山都心線への運用に入る予定です。そのため、デ7000形との共通運用が継続されています。

このように、富山地方鉄道8000形電車は、快適な旅を提供するために設計された現代的な路面電車であり、今後の運用にも期待が寄せられています。

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