富山地方鉄道T100形電車

富山地方鉄道T100形電車

概要

富山地方鉄道T100形電車（通称: サントラム）は、2010年から富山軌道線の運用を開始した超低床型の路面電車であり、現在4編成が運行しています。この車両は、デ7000形が50年に及ぶ長い運用を経て、更新が必要となったため、代替車両として導入されました。特に、アルナ車両の「リトルダンサー」タイプUの進化型が選ばれ、このプロジェクトは国、富山県、富山市からの補助を受けて実現しました。

この車両の愛称「サントラム」は、公募により選ばれたもので、「3両連接」や、「富山市内の3番目のLRT車両」、そして「太陽」の意を込めた名称です。事実、T100形は富山地方鉄道の所有する初の超低床車両であり、伝統的な車番形式であるデ****形ではない点も特徴です。さらに、過去には他の超低床車両も導入されていますが、これらは富山市の所有物であり、T100形は完全に富山地方鉄道が所有する初の車両となります。

特徴

T100形電車は、3車体2台車による連接車両で、前後の車体にそれぞれ台車を配置し、中間車体はフローティング構造となっています。この構造により、超低床車両でありながら、最小通路幅が820mmという優れた設計が実現され、利用者に安心感を提供しています。基本的な仕様は豊橋鉄道のT1000形とほぼ同様ですが、各種デザインや細部において独自の特徴が見られます。たとえば、運転席背面には情報案内用のモニターが設置され、「見えるラジオ」と称される文字案内設備が追加されています。

車両の外観は白を基調とし、各編成で異なる色のラインが入っています。具体的には、T101は黄緑、T102は赤、T103は青、T104は黄色で装飾されています。

導入経過

導入は2010年から始まり、2011年度末には初の1編成が運用を開始しました。その後、2012年には改良された2編成目が営業を開始し、2015年には3編成目が運行を開始しました。2017年には4編成目が追加され、全ての編成が現在の運用に貢献しています。これらの新型車両は、従来のデ7000形の代替として全ての11両を段階的に置換える計画が進行中です。

運用と運行

サントラムは2010年4月28日に運行を開始し、当初は富山駅 - 南富山駅間での運用制限がありました。しかし、新しい富山大橋の建設に伴い、2012年には大学前停留場への路線拡大が実現しました。そして、同年4月からは南富山駅と大学前を結ぶ2系統の運行が開始され、利便性が飛躍的に向上しました。

また、2012年の「ビートラムミュージックフェスティバル」では、T100形が富山都心線内を運行するイベントもありました。こうした流れの中で、富山港線への運行も開始され、ATSが設置されたことで安定した運用が可能となりました。

ラッピング広告

T100形電車は、様々なラッピングが施されることもあり、2014年にはJリーグのカターレ富山や人気アニメ「烈車戦隊トッキュウジャー」などの広告車両としても使用されました。

富山地方鉄道の新たな魅力を伝えるサントラムは、今後も地域交通の一翼を担い続けることでしょう。

もう一度検索