富山県公文書館

富山県公文書館：県政と歴史を繋ぐ知識の宝庫

富山県公文書館は、富山市茶屋町に位置する、県民にとって貴重な情報と歴史的遺産を保管・公開する公立の公文書館です。1987年（昭和62年）4月1日の開館以来、県政に関する重要な公文書や、富山の歴史を紐解く貴重な史料を収集・保存し、その活用を図ることで、県政の透明性を高め、地域の歴史文化の理解促進に貢献しています。

開館の背景と歩み

公文書館設立の構想は、1964年（昭和39年）に富山県立図書館内に設置された富山県史編纂室の活動に端を発します。約20年にわたる県史編纂事業を通して、国内外の機関から数多くの史料が収集されました。これらの史料を適切に保存・活用していくための施設として、公文書館の必要性が認識されていきました。

1970年代には、越中史壇会や富山県歴史教育研究会などからも文書館建設の要望が出され、1983年（昭和58年）に策定された富山県民総合計画では、情報公開制度の整備や公文書管理体制の強化が課題として挙げられました。県庁内の書庫スペースの不足も、公文書館建設を推進する要因となりました。

調査研究を経て、1985年（昭和60年）に起工式が行われ、1987年（昭和62年）4月1日に、全国で16番目となる富山県公文書館が開館しました。同年、情報公開条例も施行され、「開かれた県政」に向けた取り組みが本格化しました。

多様な機能とサービス

富山県公文書館は、単なる史料の保管施設にとどまりません。その機能は多岐に渡ります。

情報公開窓口としての役割: 県民からの情報公開請求への対応、公文書の閲覧・複写サービスを提供しています。
史料保存施設としての役割: 県史編纂事業で収集された史料に加え、明治16年（1883年）以降の県庁文書を保存・管理しています。古文書に関する相談窓口「古文書110番」も設置し、県民所有の古文書の保存方法の指導なども行っています。
* 調査研究・啓発活動: 史料を用いた歴史調査研究の支援、企画展や歴史講座、古文書教室などの開催を通じ、歴史文化への理解を深めるための活動を積極的に展開しています。

施設概要と所蔵資料

館舎は鉄筋コンクリート造、地上2階地下1階の事務棟と地上3階の書庫棟からなり、快適な閲覧環境と最新の保存技術を備えています。

所蔵資料は、地方自治法施行以前の公文書、現用保存公文書、県史編纂事業で収集された古文書・史料など多岐に渡ります。これらの資料は、古代から現代までの歴史、考古、民俗など様々な分野を網羅しています。

利用案内とアクセス

閲覧や複写には申請が必要で、利用の可否は、県民の利用に供しない公文書等の判定委員会の判定に基づいて決定されます。開館時間は午前9時～午後5時まで（土日祝日、年末年始休館）。

富山地方鉄道バスの「県立図書館前」停留所から徒歩3分、「呉羽山公園」停留所から徒歩10分と、アクセスも良好です。

まとめ

富山県公文書館は、県政と歴史を繋ぐ重要な役割を担う施設です。貴重な史料を後世に伝えるとともに、その活用を通して、県民の生活向上と地域社会の発展に貢献し続けています。

もう一度検索