富山県利賀芸術公園

富山県利賀芸術公園

富山県南砺市に位置する富山県利賀芸術公園は、舞台芸術の創造と発信、そして地域の伝統文化の保存が融合した unique な施設です。

設立と発展の経緯

この公園の歴史は、1970年代初頭にかつての利賀村で始まった合掌造り家屋の保存活動に遡ります。当時、村から姿を消しつつあった貴重な合掌造りを伝統的文化遺産として未来へ繋ぐため、「合掌文化村」の整備が計画されました。自然休養村整備事業などの取り組みも導入され、1976年度までに合計6棟の合掌造り家屋が移築・保存されました。

時を同じくして、日本の演劇界に大きな足跡を残した演出家である鈴木忠志氏が、自身の劇団SCOT（スコット）と共に東京からこの利賀の地へ活動拠点を移しました。1976年の出来事です。これにより、静かな山村に演劇という新たな息吹が吹き込まれました。

演劇活動は次第に根付き、発展を遂げました。1982年7月15日には、著名な建築家・磯崎新氏の設計によるギリシャ円形劇場を模した美しい「野外劇場」が完成しました。この劇場の完成を記念して、同年には日本で初めてとなる世界演劇祭、「第1回利賀フェスティバル」が当地で開催されました。これは、日本の演劇が世界と繋がり、利賀が国際的な演劇交流の場となる画期的な出来事でした。

その後、合掌造りの保存と演劇活動の融合がさらに進み、1994年にはそれまでの財団法人利賀合掌文化村財団を発展的に改組し、新たに財団法人富山県利賀芸術公園財団が設立されました。これに伴い、同年10月1日には、一帯が「富山県利賀芸術公園」として日本初の県立芸術公園として正式に開園しました。10月8日には開園式も盛大に挙行されています。運営体制はその後も変化し、2001年4月1日からは富山県文化振興財団がその役割を引き継ぎ、現在に至っています。

施設と活動

富山県利賀芸術公園は、世界でも類を見ない舞台芸術のための総合施設群です。日本最大級の規模を誇る合掌造りの劇場や、前述の野外劇場など、特性の異なる合計6つの劇場を備えています。これらの劇場に加え、充実した稽古場（景子場）や、国内外から訪れる演劇人のための宿泊施設など、創作活動から滞在までをサポートする環境が整っています。

公園の主要な活動の一つは、毎年夏に開催される国際的な演劇祭です。この期間中、世界各地から多くの優れた演劇団体やアーティストが集結し、多様な公演やワークショップが行われます。また、演劇祭だけでなく、年間を通して様々な作品創造や人材育成のための事業が展開されています。こうした継続的な活動と unique な環境が評価され、利賀芸術公園は「演劇の聖地」とも称されています。

アクセス

富山県利賀芸術公園へのアクセスは、E8砺波インターチェンジから車で約60分です。公共交通機関を利用する場合、利賀芸術公園バス停から徒歩約3分で公園に到着します。

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