富樫和大

富樫 和大

概説

富樫 和大（とがし かずひろ）は、1980年10月25日に新潟県で生まれた元プロ野球選手。ポジションは投手でした。高校野球で注目を集め、社会人野球を経てプロの門を叩きましたが、残念ながら一軍公式戦での登板は叶いませんでした。

アマチュア時代

富樫氏は、地元の新発田農業高校に進学し、硬式野球部で投手として活躍しました。高校時代には、後に読売ジャイアンツで活躍する捕手の加藤健氏とバッテリーを組んでいました。チームは富樫氏、加藤氏を中心として力をつけ、彼の高校生活最後の年である3年生時には、甲子園の舞台に春夏連続で出場するという快挙を成し遂げます。

春の第70回選抜高等学校野球大会では、チームは初の選抜出場を果たしました。しかし、初戦で愛知県代表の豊田西高校と対戦し、0対5で敗れ、甲子園での白星を手にすることはできませんでした。

夏の第80回全国高等学校野球選手権大会にも、新潟県代表として出場を果たしました。夏の大会の初戦では、後にメジャーリーグでも活躍することになる和田毅投手を擁する島根県代表の浜田高校と対戦しました。富樫氏は浜田高校打線を相手に力投を見せましたが、試合は投手戦となり、最終的にチームは2対5で敗れました。この夏も春に続き、惜しくも初戦で甲子園を去ることになりました。

高校卒業後、富樫氏は社会人野球の強豪、川崎製鉄千葉に進みました。ここでの2年目には、社会人野球の最高峰とも言える都市対抗野球大会で先発投手としてマウンドに上がるなど、着実に実力を培いました。都市対抗野球という大舞台での登板経験は、プロのスカウトの目にも留まる実績となり、彼の野球人生における重要なステップとなりました。

プロ野球時代

社会人野球での活躍が評価され、富樫氏は2001年秋に開催されたプロ野球ドラフト会議において、日本ハムファイターズから6巡目指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになりました。背番号は「48」に決まり、甲子園や都市対抗で培った経験を武器に、プロの世界での飛躍が期待されました。

しかし、プロ野球選手としてのキャリアは、彼にとって非常に厳しいものでした。入団後、富樫氏は度重なる故障に苦しめられ、本来の投球を取り戻すのに時間を要しました。期待されていたピッチングを披露する機会をほとんど得られなかったのです。

特にプロ1年目の2002年は、身体の状態が整わず、ファーム（二軍）の公式戦ですら一度も登板する機会がありませんでした。その後も状態は完全に上向かず、プロの世界で多くの選手が目標とする一軍のマウンドに立つことは、ついに叶いませんでした。プロ入りから引退まで、一軍公式戦での登板記録はありませんでした。

短いプロ野球生活は、故障との戦いが大部分を占めました。そして、入団からわずか3年後の2004年シーズン終了後、富樫氏は球団から戦力外通告を受けました。この通告をもって、彼のプロ野球選手としてのキャリアは幕を閉じました。甲子園、都市対抗野球を経てプロ入りしたものの、プロでの一軍登板を果たせないままユニフォームを脱ぐことになった、残念ながら数多くのプロ野球選手が経験する厳しい現実の一例でした。

富樫氏は、1980年生まれの選手が多く、特にプロ野球界で多くのスター選手を輩出したことから「松坂世代」と呼ばれる世代の一員でした。同世代の選手たちがプロで活躍する姿を横目に、自身は故障に苦しみ、志半ばでプロの舞台を去ることになった彼の野球人生は、プロの世界の厳しさを改めて示すものと言えるでしょう。

詳細情報

生年月日: 1980年10月25日
出身地: 新潟県
投打: 不明（※情報なし）
プロ入り: 2001年 ドラフト6巡目
最終所属: 北海道日本ハムファイターズ
背番号: 48 （2002年 - 2004年）
プロ一軍成績: 一軍公式戦出場なし

関連項目

北海道日本ハムファイターズの選手一覧
* 松坂世代

もう一度検索