富永嘉郎

富永 嘉郎 (とみなが よしろう) の略歴

富永嘉郎は、1917年4月12日に京都府で生まれ、2010年3月25日に大阪市で亡くなった元プロ野球選手です。彼のプロ野球キャリアは主に外野手としての活躍を中心に展開されましたが、特に南海ホークス（当時は南海軍）との関わりが深い人物として知られています。

学生時代と初期キャリア

富永は平安中学（現在の龍谷大学付属平安中学校・高等学校）に在学中に、名門高校野球選手として名を馳せました。彼は甲子園大会に6回出場し、特に1933年夏の大会では、エースの高木正雄や後にプロで活躍する宇野錦次、岡村俊昭らと共にチームを準優勝に導きました。このような経験が彼の野球人生において大きな影響を与えました。

高校卒業後、同志社大学野球部に進学し、さらなる技術向上に努めましたが、1938年に南海軍に入団すると、その後の選手時代は多くの困難に直面します。というのも、1940年代初頭には日本が戦争に突入し、彼自身も出征を余儀なくされました。これにより、結局選手としてのキャリアは短く、1944年には現役を引退しました。

引退後の活動

引退後の富永は、南海ホークスのスカウトとしての役割を担い、選手の発掘や育成に尽力しました。特に、鶴岡一人監督の信頼を受け、チームの強化に貢献しました。彼はまた、日本人初のメジャーリーガーとされる村上雅則の二重契約問題においてスカウト部長として尽力したことで、広く知られるようになりました。彼の活動は、日本のプロ野球界の発展に寄与したと言えます。

個人の晩年と死去

富永嘉郎は2010年3月25日に急性心不全により亡くなりました。享年92歳。長男の伸定氏によると、彼は亡くなる前日まで元気にゲートボールを楽しんでいたということからも、その健康状態がうかがえます。葬儀には日本プロ野球OBクラブの当時の会長、黒江透修氏が供花を贈るなど、多くの人々に惜しまれました。

年度別成績と背番号

彼のプレースタイルや実績は、南海ホークス（当時南海軍）の一員としての活動に集約されており、1944年に近畿日本軍に改名されるまでの期間に活躍しました。背番号は当初11、その後15番が与えられましたが、1944年のシーズン中には全チームで背番号が廃止されました。

参考事項

富永嘉郎に関する情報は、彼が関与した京都府や同志社大学の関連資料、そして福岡ソフトバンクホークスに関する記録にも多く残されています。彼は南海ホークス結成時のメンバーの中で最後の生存者でもあり、球界における影響は今も感じられています。

もう一度検索