富郷村 (愛媛県)

富郷村（とみさとむら）

富郷村は、かつて愛媛県東予地方の宇摩郡に存在した村です。現在の四国中央市の南部に位置し、四国山地の山中にありました。この地域は、嶺南地域と呼ばれ、豊かな自然に囲まれています。

地理

富郷村は、北を法皇山脈、南を石鎚山脈に挟まれた銅山川流域に位置し、富郷渓谷の両岸に広がっていました。この地形が、独特の景観を作り出していました。

村名の由来

村名の由来は、残念ながら詳しい記録が残っておらず、現在では不明となっています。

歴史

略史

富郷村の歴史を概観すると、以下の出来事が記録されています。

1908年（明治41年）：城師集落が火災により焼失するという大きな被害に見舞われました。
1923年（大正12年）：タバコ集配所が設置され、この地域のタバコ産業の一翼を担いました。
1941年（昭和16年）：森林組合が設立され、地域の林業の発展に貢献しました。
1949年（昭和24年）：富郷農協が設立され、農業の振興に尽力しました。
1961年（昭和36年）：富郷渓谷が、金砂湖や翠波高原などとともに金砂湖県立自然公園に指定され、その美しい景観が保護されることになりました。

村の沿革

富郷村は、以下の変遷を辿りました。

1889年（明治22年）12月15日：町村制の施行に伴い、津根山、寒川山、豊坂の3つの村が合併し、宇摩郡富郷村が誕生しました。役場は、当初、大字津根山に置かれました。
大正年間：役場は大字寒川山に移転しました。
1954年（昭和29年）11月1日：三島町、松柏村、寒川町、豊岡村、富郷村、金砂村の2町4村が合併し、伊予三島市が誕生。富郷村は自治体としての歴史を終えました。

富郷村の系譜

富郷村の系譜を図で示すと、以下のようになります。


（町村制実施以前の村） （明治期） （昭和の合併） （平成の合併）

町村制施行時
津根山━━━━┓
寒川山━━━━╋━━━富郷村━━━━━━━━━━━━━┓
豊坂 ━━━━┛ ┃
　　　　　　　　　　　　　　　　あ　　　い　う 　　　 ┃昭和29年11月1日
　　　　　　　　　　　三島村━━三島町━┳━┳━━━━┫合併・市制施行
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃ ┃ 　　　　┣伊予三島市━┓
　　　　　　　　　　　中曽根村━━━━━┫ ┃ 　　　　┃ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　中之庄━━━━━━┫ ┃ 　　　　┃ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　松柏村━━━━━━┛ ┗松柏村━┫ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　豊岡村━━━━━━━━━━━━━┫ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　え 　　　　┃ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　寒川村━━━━━━━━寒川町━━┫ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　金砂村━━━━━━━━━━━━━┛ 　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃平成16年4月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃新設合併
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣四国中央市
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川之江市━━━━━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新宮村━━━━━━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　土居町━━━━━━━━━━┛




あ – 明治31年11月21日 三島村が町制施行、三島町に

い – 昭和19年4月1日 三島町、中曽根町、中之庄、松柏村が合併し三島町に

う – 昭和25年10月1日 三島町から松柏村が分立

え – 昭和27年6月1日 寒川村が町制施行し寒川町に

（注記）富郷村以外の合併以前の系譜はそれぞれの市町村の記事を参照のこと。

地域

合併前の旧3か村は、合併後もそのまま大字として使用されました。これらの大字は以下の通りです。

津根山（つねやま）
寒川山（さんがわやま）
豊坂（とよさか）

伊予三島市となってからは、「富郷町」を冠するようになり、例えば「伊予三島市富郷町寒川山」のように表記されました。平成の合併で四国中央市になってからも、この表記方法は引き継がれています（例：四国中央市富郷町寒川山）。

産業

富郷村では、主に農業が営まれており、特に葉タバコの生産が盛んでした。

交通

富郷村には、鉄道は通っていませんでした。

名所

富郷渓谷は、自然豊かな景観が楽しめる名所として知られています。

関連項目

愛媛県の廃止市町村一覧

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