東予地方

東予地方の概要

愛媛県の東部に位置する東予地方は、四国中央市、新居浜市、西条市、今治市、越智郡の上島町の1町4市から成り立っています。この地域は、愛媛県（伊予国）の中でも重要な位置を占めており、圏域人口は約46万人に達しています。

地理と産業

東予地方は燧灘と石鎚山系の間に位置し、瀬戸内海に面しているため、海運や造船業が栄えています。また、昭和の時代に造成された海浜工業団地が製造業の基盤となり、東西に連続した大規模な都市が形成されています。この地域には今治港、東予港、西条港、新居浜港、三島川之江港といった複数の港が存在し、物流の要所ともなっています。

特に、関西地方との間では東予港から大阪南港への航路輸送が盛況で、中国地方（特に備後地方）とはしまなみ海道によって結ばれており、ここの物流は主に中予や南予地域に向かって行われています。

利発な気質

東予地方の住民は、商才に富んでいるとされ、「利にさとく、目端が利く」という気質があります。実際、月賦の制度を考案したのは、桜井漆器の商人であると言われています。「伊予商人の歩いた後には草も生えない」という言葉に表されるように、商業活動が非常に盛んだった時代があります。また、勤勉に工夫を重ね、製品づくりにも熱心です。

産業の現状と課題

東予地方の工業生産額はおよそ2兆円を越え、愛媛県全体の73%を占めています。しかし、各市町にはそれぞれ課題が存在します。宇摩地方では、製紙業が盛んですが、その独特の異臭が問題視されています。新居浜市は別子銅山で栄え、現在も住友グループの化学・非鉄金属産業が集中していますが、交通網が脆弱で渋滞も激しいです。西条地方では、臨海工業団地が開発され、工場が集まっているものの、今治地方では高速道路網の接続問題が残るなど、地域間の交通整備が求められています。

観光資源

東予地方の豊かな自然と地域文化は、観光の重要な要素となっています。新居浜太鼓祭りや西条まつりといった四国三大祭りは特に名高く、地域の郷土芸能として多くの観光客を引き寄せています。また、新居浜市では旧別子銅山の跡地を活かした観光開発が進められ、あかがねミュージアムが新たに開設されました。今治市は、しまなみ海道の自然美を楽しむ体験型観光にも力を入れています。

地方局の再編

地方局に関しては、今治地方局と西条地方局があったものの、再編政策により今治地方局は西条地方局の支局に変わりました。これは、地域の人口や管轄のバランスを考慮した結果です。再編が正式に実施されたのは2008年4月からです。

結論

東予地方は多くの観点から見ると、発展と課題が並存する地域です。これからも地元の魅力を生かしつつ、産業の活性化と観光地としての魅力を高めていくことが期待されています。

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