富雄町

富雄町（とみおちょう）

富雄町は、かつて奈良県北西部、生駒郡に属していた町です。現在の奈良市西部の広い範囲（富雄・学園前）にあたり、富雄川が流れる自然豊かな場所でした。

地名の由来

地名の由来は、日本神話に登場する神武東征に遡ります。

紀元前663年、後の神武天皇である神日本磐余彦尊（かむやまといわれひこのみこと）は、この地で豪族・長髄彦（ナガスネヒコ）と戦いました。苦戦する磐余彦尊の元に、金色の鵄（トビ）が現れ、その弓先に止まりました。すると、不思議な力によって磐余彦尊は長髄彦を打ち破り勝利を収めました。この出来事から、人々は当地を「鵄邑（とびのむら）」と名付けました。その後、「鵄邑」は鳥見郷、鳥見庄と呼ばれるようになり、時を経て「富雄村」へと変化しました。

ただし、地名の由来となった神武天皇聖蹟碑は、富雄町ではなく隣接する生駒市に存在します。
この故事は、富雄町が奈良市に編入される前年の1954年に富雄町教育委員会が発行した「富雄町史」にも記載されています。

歴史

1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、添下郡の二名村、三碓村、中村、大和田村、石木村が合併し、富雄村が成立しました。
1897年（明治30年）4月1日：所属郡が生駒郡に変更されました。
1953年（昭和28年）4月1日：町制を施行し、富雄町となりました。
1955年（昭和30年）3月15日：伏見町、帯解町、辰市村、五ヶ谷村、明治村とともに奈良市に編入され、富雄町は廃止されました。

交通

鉄道路線
近畿日本鉄道
奈良線：富雄駅 - 学園前駅
道路
主要地方道大阪枚岡奈良線

出身・ゆかりの有名人

中村メイコ：戦時中、当時の生駒郡富雄村に疎開していました。

関連項目

富雄駅
学園前
* 奈良県の廃止市町村一覧

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