寒川町 (香川県)

寒川町（さんがわちょう）

香川県の東部に位置していた寒川町は、かつて大川郡に属していた自治体です。この町は比較的短期間の存在でしたが、その歴史は地域の変遷を物語っています。現在の香川県さぬき市における、寒川町石田西、寒川町石田東、そして寒川町神前といった各地域が、かつての寒川町の区域に相当します。地理的には、周辺の主要都市へのアクセスが良い立地にあり、これは後述する住民の通勤動向からも見て取れます。

歴史的変遷

寒川町の歴史は、まず村の成立から始まります。

寒川村の発足: 1945年（昭和20年）7月1日、第二次世界大戦終結の直前に、大川郡に属していた石田村と神前村という二つの村が新設合併し、新たに「寒川村」が誕生しました。これが、後の寒川町の礎となります。
町制への移行: 村として歩みを進めていた寒川村は、1961年（昭和36年）9月1日、さらなる発展を目指して町制を施行しました。これにより、自治体としての名称は「寒川町」へと改められ、新たな段階に入ります。村から町への昇格は、地域の発展や人口の増加といった背景があったと考えられます。
さぬき市への合併と町の終焉: 21世紀に入り、日本各地で「平成の大合併」と呼ばれる市町村合併が進められる中、寒川町もその流れの中にありました。2002年（平成14年）4月1日、寒川町は同じ大川郡に属していた津田町、大川町、志度町、長尾町という四つの町と新設合併しました。この合併により、新たに「さぬき市」が誕生し、同時に寒川町という自治体はその歴史に幕を下ろしました。約41年間の町の歴史に終止符が打たれた形です。

地域特性と名称継承

かつての寒川町は、周辺地域との結びつきが強い地域でした。平成12年（2000年）に行われた国勢調査によると、当時の寒川町住民の通勤・通学先として、高松市への通勤率が22.9%と最も高く、次いで長尾町へ9.1%、志度町へ6.5%となっていました。このデータは、多くの住民が近隣の市や町へ日常的に移動しており、特に香川県の県庁所在地である高松市への依存度が高かったことを示しています。

自治体としての寒川町は消滅しましたが、その名前が完全に失われたわけではありません。さぬき市が誕生した後も、旧寒川町の地域を示す地名として、その名称は引き継がれています。具体的には、現在のさぬき市の地名において、「寒川町石田西」「寒川町石田東」「寒川町神前」のように、「寒川町」という冠称が大字（おおあざ）に冠する形で残されています。これは、かつての町の区域が現在のさぬき市内でどの部分にあたるのかを示す役割を果たしており、地域の歴史や連続性を伝える重要な要素となっています。

まとめ

寒川町は、1945年に村として誕生し、1961年に町制を施行、そして2002年に他の周辺町と合併してさぬき市の一部となるまでの間、香川県東部の一自治体として存在しました。短期間の存在ではありましたが、石田村と神前村が合わさって生まれ、そして新たな広域自治体であるさぬき市の一部へと姿を変えるという、時代の大きな流れを経験した町と言えます。自治体としての歴史は終わりましたが、その名前は今も地域の地名の中に息づいており、かつてこの地に寒川町という名の自治体が存在したことを静かに伝えています。

関連項目

香川県の廃止市町村一覧
寒川町 (曖昧さ回避)
寒川村 (曖昧さ回避)

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