寛政地震

寛政地震の概要

寛政地震（かんせいじしん）は、江戸時代中期の1749年、すなわち寛政5年の1月7日（1793年2月17日）に仙台沖で発生した大規模な地震です。この地震は、1978年に発生した宮城県沖地震と連動した地震であると考えられています。

歴史的背景と被害

寛政地震は、震源が牡鹿半島沖に位置し、昼の9時頃に発生しました。この地震の記録によれば、約1730軒の家屋が破壊され、多くの人びとが犠牲となりました。具体的な被害は、『古廟山主将記録』に記されているように、大津波が須賀浦を襲い、家屋17軒が流され、12～13人が命を落としたとされています。また、他の文献では仙台藩領内で12人が圧死し、馬も含めて多くの動物が犠牲にあったとされています。

いずれの記録でも、合計で44人以上が亡くなり、さらには多くの余震が続いたとされる相馬では、10ヶ月以上にわたって震動が感じられたことが記録されています。この地震に関する古い記録は、1904年に刊行された『大日本地震史料』においても、当初は僅か1件しか報告されていませんでしたが、その後に詳細な歴史資料が集まることで、震度分布や全体像が徐々に明らかになってきました。

津波の影響

また、東北地方太平洋岸に津波が襲来し、八戸から九十九里浜までその影響が確認されています。当時の津波は、田ノ浜で高さ3～4メートル、両石では4～5メートルに達したとされ、今村・飯田によると、その津波の規模はm=2.5と推定されています。さらに、異なる研究者は両石における津波の遡上高を9メートルとする推計も出しています。

震源域と規模

震源域については、さまざまな研究がなされており、河角廣が牡鹿半島沖を震央としマグニチュードM=7.1を示していた一方で、羽鳥徳太郎は1897年の地震と類似性を指摘し、震源域の規模をM7.8と推定しています。また、宇佐美龍夫はさらに震央を沖側に定め、M8.0～8.4に達する可能性があると述べています。行谷佑一はこの地震を1978年の宮城県沖地震と関連付け、M8.0～8.2程度の連動型巨大地震と考える立場を取っています。

その後、地震調査研究推進本部による評価では、寛政地震は宮城県沖地震と日本海溝寄りの震源域が連動したM8.2の地震と位置づけられました。これらの査定は、1897年の地震とともに繰り返し発生するタイプの地震であることも示されています。

結論

寛政地震は、その広範な影響と甚大な被害を考慮すると、日本の地震史において重要な地震であり、特に宮城県沖地震との関係についての研究が進められています。地震の発生メカニズムや津波の影響は今なお多くの関心を寄せており、自然災害に対する備えを考察する上で欠かせない事象となっています。

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