寧越郡 (中国)

寧越郡は、中国にかつて存在した郡であり、隋代から唐代にかけて、現在の広西チワン族自治区欽州市一帯に設置されていました。

概要

寧越郡の前身は、南朝梁の天監年間に設置された安州です。598年（開皇18年）に隋によって安州は欽州と改称されました。その後、607年（大業3年）に州が廃止され郡が置かれると、欽州は寧越郡と改称されました。この時、寧越郡は欽江・安京・南賓・遵化・内亭・安海の6県を管轄していました。

621年（武徳4年）、唐が蕭銑を滅ぼすと、寧越郡は再び欽州と改められ、欽江・安京・南賓・遵化・内亭の5県を管轄するようになりました。しかし、742年（天宝元年）には、欽州は再び寧越郡と改称されます。そして、758年（乾元元年）に寧越郡は欽州と改称され、以後、寧越郡という名称は歴史から姿を消しました。

このように、寧越郡は短期間に名称や管轄地域が変動しており、当時の政治情勢が大きく影響していたと考えられます。その変遷は、隋唐時代の地方行政制度の変化を理解する上で重要な事例と言えるでしょう。

寧越郡の存在期間は短いものの、その名称の変遷は、当時の中国における政治的、行政的な変動を反映しています。

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