寺家古墳群

寺家古墳群の概要

寺家古墳群（じけこふんぐん）は、神奈川県横浜市青葉区寺家町に位置する歴史的な遺跡で、ここには3基の古墳と1基の横穴墓が確認されています。寺家町は、周辺が大規模に開発されていく中でも、その自然の景観が比較的保たれている地域です。この場所は、鶴見川（谷本川）の上流にあたり、川崎市麻生区と東京都町田市との境界に接しています。特に「寺家ふるさと村」と呼ばれる自然を感じることができる場所も近くに存在し、古い田んぼや丘陵の雑木林が特色となっています。

古墳の構造

寺家古墳群は、丘陵の北側に位置し、高さ約50メートルの地点にあります。ここには古墳と見られる3つの墳丘があり、その内の2基は円墳とされており、1基は前方後円墳である可能性が指摘されています。これらの古墳からは、直刀2振りが出土した記録があるものの、正式な発掘調査は行われていません。

横穴墓の発見

この古墳群が位置する丘陵の西斜面には、横穴墓も見つかっています。こちらも正式な調査履歴は存在しませんが、1978年に地元の「緑区郷土史研究会」による調査で、バーベキュー施設の工事中に発見されたことが記録されています。この横穴墓は奥行き約2メートルの小型の構造で、床には石が敷き詰められています。

類似の古墳群

寺家古墳群は、市ケ尾町の稲荷前古墳群やあざみ野南の赤田古墳群といった他の古墳群と類似した構造を持っており、地域的な特性が見受けられます。また、対岸には川崎市に位置する亀井古墳群や下麻生古墳群なども存在し、寺家古墳群を含めた総称として「下麻生古墳群」と呼ぶこともあります。

周辺地域も含めて、町田市三輪町には下三輪玉田谷戸横穴墓群、西には西谷戸横穴墓群、さらに北には三輪白坂横穴墓群など、様々な歴史的遺跡が点在しています。

結論

このように、寺家古墳群はその位置する地域が保たれた自然の中で、歴史的にも貴重な資産であると言えるでしょう。特に古墳や横穴墓の遺跡群は、当時の人々の生活や文化を知る上で重要な手掛かりを与えてくれます。将来的に、これらの遺跡が県内外の歴史研究と観光に寄与することが望まれます。

もう一度検索