寺崎昌男

寺崎昌男氏は、1932年生まれの日本の教育学者であり、東京大学、立教大学、桜美林大学の名誉教授を務めました。福岡県出身で、福岡県立明善高等学校を経て、1957年に東京大学教育学部教育学科を卒業。その後、東京大学大学院で修士課程と博士課程を修了し、1967年には教育学博士号を取得しました。

研究者としてのキャリアは、財団法人野間教育研究所での勤務から始まり、その後、立教大学教授、東京大学教育学部助教授、教授を歴任しました。東京大学では教育学部長や教育学部附属中学校・高等学校（現・附属中等教育学校）校長、百年史編集委員会委員長も務めました。1993年に東京大学を定年退官し、名誉教授となりましたが、その後も立教大学教授として教鞭を執り、全学共通カリキュラム運営センター部長も務めました。1998年に立教大学を退職し、名誉教授となった後、桜美林大学教授として大学院で大学アドミニストレーション専攻主任を担当しました。2003年に桜美林大学を退職し、名誉教授となりました。

2004年からは立教学院本部調査役として勤務し、2016年までその職務を全うしました。

寺崎氏の研究活動は、教育史の分野にとどまらず、特に大学史研究において多大な貢献をしました。日本における大学自治制度の成立過程を明らかにした研究は、その後の大学史研究に大きな影響を与えました。また、大学教育に関する深い洞察を持ち、大学の自己変革やオートノミー（自律性）の重要性を説くなど、大学教育の発展にも大きく貢献しました。

教育史学会、日本教育学会、大学教育学会の運営にも携わり、日本学術会議第17・18期会員も務めるなど、学界でも重要な役割を果たしました。

著書には、『日本における大学自治制度の成立』、『プロムナード東京大学史』、『大学の自己変革とオートノミー』、『大学教育の創造』などがあり、大学史や大学教育に関する数多くの著作を発表しています。

共編著としては、『大学教育』や『戦後の大学論』、『史料教育法』、『教育小事典』、『総力戦体制と教育』、『日本の教師』シリーズなど、教育に関する幅広いテーマを手掛けています。

寺崎昌男氏は、教育学者として、大学史研究者として、教育現場の指導者として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、日本の教育界に大きな足跡を残しました。その研究は、現代の教育問題にも示唆を与えるものであり、今後の教育改革を考える上でも重要な視点を提供してくれます。

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