寺田夏生

寺田夏生の軌跡：陸上競技選手から指導者へ

寺田夏生（てらだ なつき）は、1991年8月30日生まれ、長崎県西彼杵郡時津町出身の元陸上競技選手であり、現在は指導者として活躍しています。専門は長距離走で、マラソンや駅伝でその才能を発揮しました。時津町立時津中学校、長崎県立諫早高等学校、國學院大學人間開発学部を卒業後、JR東日本陸上競技部に所属していました。

中学・高校時代：陸上競技への転身

中学時代は野球部に所属していましたが、長距離走の才能を見出され、体育教師の勧めで陸上競技を始めました。2006年には野球部を引退し、本格的に陸上競技に転向。同年の全日本中学陸上では1500mに出場しましたが、決勝進出はわずかに届きませんでした。その後、長距離走の名門である長崎県立諫早高校に進学。高校時代は3年連続で全国高校駅伝に出場し、2年次には6区で区間8位の成績を残しました。

大学時代：箱根駅伝での劇的なドラマ

國學院大學に進学後は、陸上競技部で活躍しました。1年次には、箱根駅伝でアンカーの10区を任され、シード権争いを繰り広げる中、残り120m地点でコースを間違えてしまうというアクシデントに見舞われました。しかし、すぐにコースに戻り、チームを10位でゴールさせ、國學院大學史上初のシード権獲得に貢献しました。この時、コースを間違えた場所は「寺田交差点」と呼ばれるようになり、彼の大学時代の象徴的な出来事となりました。2年次には5区を走り、区間5位の好走でチームを往路9位、総合10位へと導き、2年連続のシード権獲得に貢献しました。3年次、4年次にはエース区間である2区を務めました。

実業団時代：マラソンでの飛躍

大学卒業後はJR東日本に入社し、実業団選手として活動しました。2014年の甲佐10マイルロードレースでは並み居る強豪を抑えて優勝。2019年の福岡国際マラソンでは、ラスト2.195kmを全選手中最速タイムで駆け抜け、自己ベストとなる2時間10分55秒で4位に入賞しました。2020年の福岡国際マラソンでは、2時間08分03秒の自己ベストで3位に入賞し、初のサブテンを達成しました。2023年2月の大阪マラソンを最後に現役を引退しました。

指導者としての新たな挑戦

2023年7月1日、皇學館大学駅伝競走部の監督に就任し、指導者としての新たなスタートを切りました。

人物像とエピソード

音楽鑑賞が趣味で、早寝早起きが得意という、実直な人柄です。國學院大學時代の監督からは「古武士のようだ」と評されるほど、寡黙でストイックな一面を持っています。また、箱根駅伝でのコース間違いは、今でも語り継がれるエピソードとして有名です。2022年の箱根駅伝では、別の大学の選手が同じ場所でコースを間違えかけるというハプニングがあり、寺田自身も「分かるよ」とツイートしています。また、ペースメーカーとしてマラソンを走るなど、多岐に渡る活動をしています。

主な自己記録

3000m：8分25秒10
5000m：13分51秒28
10000m：28分47秒50
20km：59分53秒
ハーフ[[マラソン]]：1時間02分37秒
マラソン：2時間08分03秒

主な戦績

2008年全国高校駅伝6区区間8位
2014年甲佐10マイルロードレース優勝
2019年福岡国際マラソン4位
2020年福岡国際マラソン3位

大学駅伝戦績

第87回箱根駅伝10区
第88回箱根駅伝5区
第89回箱根駅伝2区
第90回箱根駅伝2区

寺田夏生は、選手としてだけでなく、指導者としても今後の活躍が期待される人物です。

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