西彼杵郡

西彼杵郡：長崎県の歴史と変遷を刻む郡

西彼杵郡（にしそのぎぐん）は、長崎県に位置する郡です。長崎県内では、その所在や管轄地域を示す略称として「西彼（せいひ）」とも呼ばれています。2024年11月1日時点の推計人口は67,927人、面積は49.67平方キロメートル、人口密度は1,368人/平方キロメートルと、比較的高い人口密度を示しています。

西彼杵郡を構成する自治体

現在、西彼杵郡には以下の2町が含まれています。

長与町（ながよちょう）：長崎市のベッドタウンとして発展し、人口も多い町です。
時津町（とぎつちょう）：中小企業が盛んで発展を続ける町であり、他の地域と比べて平均年齢が低いのが特徴です。

西彼杵郡の地理と歴史

西彼杵郡の地理は多様性に富んでいます。北部の西彼杵半島は山がちで自然豊かですが、かつては西海橋開通前までは「陸の孤島」状態でした。半島の西側にある大島や池島などは、かつて炭鉱で栄えましたが、鉱業の衰退とともに過疎化が進んでいます。一方、中部の長与町と時津町は、現代的な発展を遂げています。東部の旧多良見町地域は、隣接する諫早市との繋がりも深く、他の西彼杵郡の地域とは異なる歴史的背景を持っています。

西彼杵郡の歴史は古く、明治11年（1878年）に郡区町村編制法の施行により発足しました。発足当時の郡域は、現在の長与町、時津町に加え、長崎市の大部分、諫早市の一部、西海市の全域を含んでいました。

明治時代からの変遷：複雑な合併と統合

明治時代以降、西彼杵郡は数々の合併と統合を繰り返してきました。明治22年（1889年）の町村制施行、明治30年（1897年）の郡制施行を機に、多くの村が誕生し、その後も幾度も合併や編入が行われました。

特に昭和30年（1955年）から昭和44年（1969年）にかけては、大規模な市町村合併が実施され、郡の構成が大きく変化しました。この期間には、複数の村が合併して新しい町が誕生したり、多くの村が長崎市などに編入されたりしました。

平成17年（2005年）には、再び大規模な市町村合併が行われました。香焼町、伊王島町、高島町、野母崎町、三和町、外海町が長崎市に編入され、多良見町は諫早市に編入されました。さらに、西彼町、西海町、大島町、崎戸町、大瀬戸町が合併して西海市が発足しました。翌平成18年（2006年）には、琴海町も長崎市に編入されました。

これらの合併によって、西彼杵郡は現在の2町体制となりました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』42 長崎県、角川書店、1987年6月1日
旧高旧領取調帳データベース
長崎県西彼杵郡 郡役所廃止記念会『西彼杵郡現勢一班』（1926年）

関連事項

東彼杵郡
* 郷、名：市町村下の行政区画である字（あざ）の単位の一種。旧大村[[藩]]領、旧福江藩領、旧佐賀[[藩]]領、旧島原藩領に属した地域で異なる名称が用いられています。

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