寺田龍平

寺田龍平：文武両道を貫いた異色の元プロ野球選手

寺田龍平（てらだ りゅうへい）は、1989年6月20日生まれ、北海道恵庭市出身の元プロ野球選手です。右投両打の投手として、その野球人生を歩みました。

プロ入り前

小学2年生から島松ジュニアイーグルスで野球を始め、中学校時代は札幌広島グロウィングスに所属していました。その後、道内有数の進学校である札幌南高校に進学。1年秋からベンチ入りを果たし、3年時には地区大会準決勝まで進出するも、函館工高に惜しくも敗れ、甲子園への夢は叶いませんでした。高校時代には最速145km/hを記録する速球が持ち味でした。

大学進学も視野に入れていた寺田は、慶應義塾大学のAO入試の準備を進めていましたが、2007年の高校生ドラフトで東北楽天ゴールデンイーグルスから1位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになります。

プロ野球選手として

プロ入り後の寺田は、高校時代に145km/hを記録した速球が130km/h台に低下。制球難にも苦しみ、ファームでの登板でも自滅する試合が少なくありませんでした。本人曰く、「高校時代とは違う上下関係に苦しみ、練習漬けの日々で体調を崩した」ことが原因で、本来のピッチング感覚を失ったといいます。

2010年には、当時のブラウン監督から「ストレートが微妙に動くところが面白い」と評価されるものの、3年間一軍登板は叶いませんでした。同年夏には、コーチの勧めでサイドスローにフォームを変更。しかし、同年12月には右肩関節唇の手術を受け、オフには減俸となりました。

2011年も一軍登板は無く、二軍での登板も僅か2試合に終わります。同年10月9日、戦力外通告を受け、自身のTwitterで引退を表明。プロ野球選手としての短いキャリアに終止符を打ちました。

引退後

プロ野球選手としての活動と並行して、早稲田大学人間科学部eスクール（通信教育課程）で学んでいた寺田は、引退後の2014年に卒業し、学位を取得しています。このeスクールでの学習は、周囲からは「野球に本腰を入れていない」と捉えられ、チームメイトとの関係悪化の一因になったこともありました。

引退後は、大手IT企業に就職。その後、2016年にはスポーツ選手のマネジメント会社へ転職します。同年には学生野球資格回復研修を受講し、翌2017年には日本学生野球協会から学生野球資格回復の適性認定を受け、学生野球選手への指導も可能となりました。2017年8月には博報堂DYデジタルに転職し、2020年にはTBSテレビに転職。現在に至ります。

選手としての特徴

寺田は、最速145km/hのストレートと変化量の大きいスライダーを武器とする投手でした。2010年からはサイドスローにフォームを変更しています。

関連書籍

寺田の高校時代の文武両道の取り組みは、松永多佳倫著の『偏差値70の甲子園 僕たちは文武両道で東大も目指す』（2017年）にも描かれています。

その他

寺田の背番号は43（2008年 - 2011年）。登場曲はMONGOL800の『小さな恋のうた』（2008年 - 2011年）でした。

まとめ

寺田龍平は、進学校からプロ野球選手という異色のキャリアを歩み、その後のキャリアも多岐に渡ります。野球選手としては苦労もありましたが、文武両道を体現した人物として、その生き方は多くの人に刺激を与えるでしょう。

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