寺西封元

寺西封元の生涯と功績

寺西封元（てらにし たかもと、1749年 - 1827年）は、日本の江戸時代後期に活躍した武士であり、文化文政時代の幕府代官として特に知られています。彼は福島県に位置する陸奥国白川郡塙の代官として数多くの業績を残したことで名を馳せました。彼の通称は寺西重次郎です。

生い立ちと経歴

封元は広島県三原市の安芸国豊田郡三原にて、浅野家の下級家臣の子として誕生しました。幼少期の名は畦松（くろまつ）でありましたが、父が浪人となり、幼くして寺に入ることとなります。しかし、15歳のときに父を追って還俗し江戸に出てきたのです。父の没後、彼は早々に徒士となり、1782年には幕府の西城御徒頭、柘植守清組の一員となります。1849年には徒士組頭に昇進し、陸奥国白川郡に赴任。ここで、塙代官として6万石を預かり、その後、小名浜領3万石も統治する立場に就きました。

塙代官としての功績

封元は塙代官として数々の改革を行い、特に「寺西八ヶ条」として知られる教えを広めました。これは儒教に基づく五倫五常を平易に説いたものであり、農民たちの教育に力を入れました。彼の施策は、当時問題となっていた人口減少の抑制にも寄与し、多くの周辺藩からも注目されました。1814年には桑折陣屋において3万石を預かることになり、引き続き塙、小名浜合わせて8万石を統治しました。

封元が桑折に移った後、彼は息子の隆三郎を塙代官所に配置し、統治の方針を継承させたのも特徴的です。1818年には勘定組頭を兼ねて江戸で在勤することとなりましたが、1820年には再び桑折代官に復帰し、1827年に亡くなるまでその職に就いていました。

彼の遺した影響

封元の治世は、多くの人々に深い印象を与えました。彼が提唱した「寺西八ヶ条」は、現代の塙町でも簡略化した形での普及が図られています。然而、彼の晩年には代官職の引き継ぎ時に困難な状況があったとされています。1816年、川俣代官であった山本大膳の転任による統治の引き継ぎで、多数の村役人が小名浜の事情を考慮し、寺西への引き継ぎを拒否する事態が起こりました。

まとめ

寺西封元は畿内の代官として、優れた治世を行った名代官として名を馳せました。しかし、彼の功績は単なる統治にとどまらず、農民教育など、地域の振興にも大きな影響を与えました。彼の墓は現在も残る桑折町の無能寺に位置しています。その生涯と功績は、後の代においても評価され続けています。

もう一度検索