寺部歩美

寺部 歩美

寺部 歩美（てらべ あゆみ）氏は、1992年11月25日に愛知県豊川市で生まれた、日本の元女子プロ野球選手です。主に捕手、外野手として活躍し、日本女子プロ野球リーグでは兵庫ディオーネに所属しました。

野球との出会いとアマチュア時代

寺部氏が野球を始めたのは、地元の少年野球チーム、豊川イーグルスでした。幼少期に野球に触れるきっかけとなったのは、チームの監督を務めていた父と、チームに所属していた兄の存在が大きかったと言われます。家族に囲まれた環境で、野球の基礎を学びました。

その後、尚美学園大学に進学。大学野球部でプレーを続け、技術を磨きました。大学在学中の2014年には、第6回IBAF女子ワールドカップに日本代表として選出され、国際舞台での経験を積む機会を得ました。この国際大会での経験は、後のプロキャリアに繋がる貴重な財産となったでしょう。

プロ入りと兵庫ディオーネでの活躍

大学卒業を控えた2014年9月、寺部氏は日本女子プロ野球リーグの入団テストを受験しました。関東地区で開催されたテストで見事に合格を果たし、翌2015年シーズンより兵庫ディオーネの一員としてプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。入団当初から引退まで、背番号10を背負ってプレーしました。

プロ入り後は、捕手と外野手を兼任し、攻守両面でチームに貢献しました。プロ2年目の2016年には、再び女子野球日本代表として、WBSC女子ワールドカップに出場。世界を相手にプレーする経験を重ねました。

グラウンドでの活躍に加え、チーム内でのリーダーシップも発揮しました。2017年からは、兵庫ディオーネのキャプテンに就任。チームをまとめ、牽引する役割を担い、選手としてだけでなく、精神的な柱としてもチームを支えました。

輝かしいタイトル獲得

寺部氏は、プロキャリアの中で数々の個人タイトルを獲得し、リーグを代表する選手の一人となりました。

プロ入り1年目の2015年には、その才能が開花。リーグの年間表彰式である「コンベンション2015」において、捕手部門のベストナインに選ばれたほか、プロ1年目で最も優れた活躍をした選手に贈られる最優秀新人賞を獲得し、その実力が広く認められました。

翌2016年もその勢いは衰えず、打撃面では最も勝負強い場面で打点を挙げた選手に贈られる最多勝利打点のタイトルを獲得しました。守備面では、捕手としての卓越した守備力が評価され、ゴールデングラブ賞を受賞。さらに、2年連続で捕手部門のベストナインにも輝き、攻守にわたってリーグトップクラスの選手であることを証明しました。

現役引退とその後

2020年シーズンをもって、寺部氏は女子プロ野球リーグから退くことを表明しました。約6年間にわたるプロ野球選手としてのキャリアに終止符を打ち、惜しまれつつグラウンドを去りました。

寺部氏のプロ野球選手としての軌跡は、数々のタイトル獲得、チームキャプテンとしてのリーダーシップ、そして女子野球日本代表としての国際経験に彩られています。彼女の活躍は、女子野球の発展に貢献し、多くのファンや後進の選手たちに影響を与えたことでしょう。

なお、女子野球を題材とした野球漫画「花鈴のマウンド」には、寺部氏をモデルとした、あるいは彼女が登場する描写が含まれています。

現役引退後も、寺部氏が女子野球の普及や発展に何らかの形で関わっていくことが期待されます。彼女が築き上げた功績は、女子野球の歴史に確かに刻まれています。

もう一度検索