対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律

対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律

概要

「対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律」（平成10年法律第116号）は、対人地雷の使用、貯蔵、生産、及び移譲を禁止し、廃棄を義務付ける「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」（オタワ条約）を国内で実施するための法律です。この法律は、対人地雷を「人の存在、接近、または接触によって爆発するように設計された地雷」と定義し、その製造、所持、使用を厳しく規制しています。

主務官庁

この法律の執行には、以下の省庁が連携して当たります。

経済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課
外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部不拡散・科学原子力課
外務省国際法局条約課
警察庁生活安全局保安課
防衛省陸上自衛隊補給統制本部

法律の構成

この法律は、以下の章で構成されています。

第1章：総則（第1条、第2条）
法律の目的や用語の定義など、基本的事項を定めています。
第2章：対人地雷の製造の禁止（第3条）
対人地雷の製造を禁止しています。
第3章：対人地雷の所持等の規制（第4条～第15条）
対人地雷の所持、譲渡、輸入などを規制しています。
第4章：国際連合事務総長の指定する者の検査等（第16条）
国際連合の検査に関する規定を設けています。
第5章：雑則（第17条～第21条）
その他、必要な事項を定めています。
第6章：罰則（第22条～第28条）
法律に違反した場合の罰則を定めています。
附則
法律の施行に関する事項を定めています。

処罰される行為

この法律に違反した場合、以下の行為が処罰されます。

対人地雷製造罪（第22条）
対人地雷を製造した場合、7年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。未遂も同様に処罰されます。
対人地雷所持罪（第23条）
みだりに対人地雷を所持した場合、7年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。
対人地雷所持許可者無許可変更罪（第25条）
対人地雷の所持許可を受けた者が、許可なく所持目的や方法を変更した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
対人地雷所持許可者廃棄等拒否罪（第25条）
対人地雷の所持要件を満たさなくなった際に、廃棄または引き渡しを拒否した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
対人地雷所持許可者無届等廃棄等罪（第26条）
対人地雷の廃棄や引き渡しにおいて、経済産業大臣への届出を怠ったり、虚偽の届出をした場合、30万円以下の罰金が科せられます。
対人地雷所持許可者虚偽等帳簿罪（第26条）
対人地雷の所持に関する帳簿を備えなかったり、虚偽の記載をした場合、30万円以下の罰金が科せられます。
対人地雷所持許可者帳簿保存違反罪（第26条）
対人地雷の所持に関する帳簿を保存しなかった場合、30万円以下の罰金が科せられます。
検査等命令違反罪（第26条）
国際連合事務総長指定者または経済産業大臣の検査命令に違反した場合、30万円以下の罰金が科せられます。
対人地雷所持許可者氏名等変更無届等罪（第28条）
氏名や住所などの変更を届け出なかったり、虚偽の届出をした場合、20万円以下の過料が科せられます。

関連事項

対人地雷：この法律の規制対象となる地雷。
対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約：この法律の根拠となる国際条約。

外部リンク

対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律：e-Gov法令検索

もう一度検索