対馬市立佐須中学校

対馬市立佐須中学校の概要

対馬市立佐須中学校（つしましりつ さすちゅうがっこう）は、長崎県対馬市厳原町小茂田の地に設立されていた公立の中学校です。この学校は1987年に開校し、2022年の3月末に閉校となりました。35年間にわたり地域の教育に寄与してきたこの学校は、その歴史の中で多くの生徒たちが通い、様々な思い出を作ってきました。

歴史的背景

1887年4月、厳原町内の金田中学校及び阿連中学校が統合され、新たに厳原町立佐須中学校が誕生しました。さらに2002年には大調中学校も統合され、次第にその規模を拡大していきました。最初の校長には永尾五助が就任し、新たに建設された校舎で授業が始まりました。創立から30周年の2016年までに、校舎の整備や教育環境の向上が図られてきました。

校訓としては「愛・厳・寛」が掲げられ、生徒たちに大切な価値を植え付ける教育が行われました。校章は、稲穂と波をデザインに取り入れたものであり、地域の特性を表し、学校生活を支えるシンボルとされています。

教育活動と行事

佐須中学校では、地域の伝統芸能に深く根差した教育が行われていました。特に「つしま蒙古太鼓」に関しては、地元青年グループによる指導が行われ、生徒たちが伝統芸能に触れながら地元の歴史に対する理解を深めていきました。この太鼓は、対馬にかつて襲いかかった蒙古軍に抗った人々の姿を象徴したものであり、地域の誇りとアイデンティティを育む役割も果たしていました。

また、学校行事としては、毎年9月に体育祭、10月または11月に文化祭、そして11月には対馬市音楽会が行われ、地域の人々との交流を深める場となっていました。部活動も活発で、男子バスケットボール部、女子ソフトテニス部、剣道部などが盛んに活動していました。

閉校と統合

2022年3月31日、対馬市立厳原中学校に統合され、佐須中学校は幕を閉じました。最後の年には19名の生徒が在籍しており、静かにその歴史を綴っていました。閉校記念式典が3月13日に行われ、かつての生徒や地域の人々が集まり、長年の教育活動に感謝の意を示しました。

アクセスと周辺環境

佐須中学校へは、対馬市営バスの「佐須中前」停留所からアクセス可能でした。厳原中心部とのバス路線は両立していなかったものの、地域の人々が通いやすい交通手段が整えられていました。周辺には対馬市役所の佐須窓口センターや小茂田自治公民館、金田小学校など、地域の中心的な施設が点在しており、協力して地域を支える活動が行われていました。

このように対馬市立佐須中学校は、教育の場としてだけでなく、地域の文化や伝統を保つ役割も担ってきました。閉校は地域社会に一つの区切りをもたらしましたが、その精神はこれからも地域に息づいていくことでしょう。

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