対馬要塞重砲兵連隊

対馬要塞重砲兵連隊の概要

対馬要塞重砲兵連隊（つしまようさいじゅうほうへいれんたい）は、1941年から1945年の間、日本の長崎県に存在した沿岸砲兵部隊です。この連隊は鶏知重砲兵連隊を前身とし、対馬の防衛任務を果たすために編成されました。主な任務は、対馬海峡を通航する艦船や航空機からの防御でしたが、連隊は第2次世界大戦の終焉と共に解散しました。

歴史的背景

対馬要塞の前身である鶏知重砲兵連隊は、平時には2個中隊を中心に施設され、対馬の中心地に位置する雞知町に配備されていました。対馬の各砲台には通常1名の管理者が配置されているだけで、実質的には無人状態でした。しかし、1941年7月には西部軍司令官からの命令により、演習を名目に戦時体制に移行することが決定されました。この際、動員により新たに集まった兵士が加わり、対馬要塞重砲兵連隊へと改編され、3個大隊と9個中隊からなる戦時編制へと移行しました。これにより、部隊は軍令陸甲第81号に基づいて編成が完了し、対馬要塞防空隊や第66要塞歩兵隊も編成されましたが、実際の戦闘には至りませんでした。

太平洋戦争の展開

1941年12月、日本はアメリカとイギリスに対して宣戦布告を行いましたが、対馬地域でも敵潜水艦の出現が報告されたものの、実際に戦闘を行うことはありませんでした。1944年11月には初めての交戦があり、敵潜水艦に対して砲撃を行いましたが、そのときも敵艦を直接発見することはできませんでした。1945年に入ると、部隊は陣地の強化や自給自足のための農作業に従事しつつ、敵機の出現を警戒していましたが、大規模な戦闘には関与しませんでした。6月には敵航空機の攻撃により、部隊内の主計軍曹が戦死するという事態も発生しました。

終戦とその後

1945年8月14日、連隊は戦闘を経験することなく終戦を迎えました。この時の兵力は約1400名でしたが、戦後は帰郷が進み、9月から10月にかけて多くの隊員が帰宅しました。連隊の解散は10月4日をもって完了し、残った数名は対馬兵団特設司令部に異動となりました。

年表

• - 1941年 7月6日: 動員命令。
• - 1941年 7月21日: 戦時編制完了。
• - 1944年 11月23日: 初の交戦。
• - 1945年 6月4日: 主計軍曹戦死。
• - 1945年 8月14日: 終戦。
• - 1945年 10月4日: 連隊解散。

部隊構成

対馬要塞重砲兵連隊は、連隊本部の下に3つの大隊と複数の中隊を有し、具体的な中隊の所属についての詳細は不明ですが、組織的な編成がなされていました。

歴代連隊長

• - 初代: 下遠甲太郎（1940年6月 - 1942年8月）
• - 次代: 小山鉄郎（1942年8月 - 1943年8月）
• - 最後の連隊長: 垣内八洲夫（1943年8月 - 1945年10月）

対馬要塞重砲兵連隊は、戦争という歴史の中で特異な役割を果たし、今では過去の出来事として興味深い研究の対象となっています。

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