鶏知重砲兵連隊

鶏知重砲兵連隊の歴史と役割

鶏知重砲兵連隊は、1936年から1941年まで長崎県の対馬に位置した沿岸砲兵隊で、前身となる鶏知重砲兵大隊から発展した。これは対馬要塞の唯一の戦闘部隊として、対馬海峡を通過する艦船及び航空機に対する防御を任務としていた。通称号は西部第77部隊であり、1941年に対馬要塞重砲兵連隊に改組されて事実上の消滅を迎えた。

発足と任務

対馬要塞には1920年から1936年まで鶏知重砲兵大隊が存在し、これが1936年6月1日に正式に連隊に改称された。初期の構成は2つの重砲兵中隊であり、基本的には平時において対馬要塞司令部の指揮の下での活動が中心であった。この連隊は、主に訓練や砲台管理を行い、その内容は対馬周辺の防衛態勢の一環を担っていた。

日中戦争と防空体制

1937年7月に発生した盧溝橋事件がきっかけとなり、日中戦争が始まり、連隊は緊急体制を敷くよう指示された。具体的には、対馬要塞司令部の指導のもと、防空監視の任務に従事することになった。8月21日には厳原防空監視隊が編成され、65名の軍人が各地の監視哨に配置された。監視体制はその後も変更され続け、その年の12月には業務の一部が長崎県に移管された。

また、連隊は当時新たに高射砲部隊を編成し、116名の防空部隊を下関要塞司令官の指揮下に入れた。これにより、連隊は防空任務を強化し、他地域の防空部隊との連携を図るよう努めた。1939年には大規模な警急戦備が解除されたものの、連隊はその後も重砲兵としての機能を維持し続けた。

動員と改称

1941年7月、連隊はさらなる動員命令を受け、戦時体制に入ることが決定される。この動員は、対ソ連への攻撃を目的とした関東軍特種演習に関連するものであり、実際の戦闘には至っていなかったが、その後も連隊の業務は解除されることなく続けられた。最終的には、対米開戦の前にも連隊の動員が完了し、1941年には対馬要塞重砲兵連隊に改称されたことからも、連隊は第二次世界大戦において重要な役割を果たしたことが伺える。

連隊の構成

鶏知重砲兵連隊は、以下のような部隊構成であり、連隊本部及び第1中隊・第2中隊が含まれていた。歴代の連隊長には滝弘忠中佐が1936年から1939年にかけて、続いて西依辰馬中佐が亡くなる1940年まで在籍し、その後は下遠甲太郎中佐が1942年まで指揮を取っていた。

結論

鶏知重砲兵連隊は、激動の時代を通じて日本の防衛に尽力しました。連隊の存在は、対馬の戦略的な重要性を示し、当時の日本軍の防空体制の一環を担ったと言えるでしょう。

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