寿五郎ショウ

寿五郎ショウ（ことぶきごろうショウ）

『寿五郎ショウ』は、江口寿史が手がけたギャグ[[漫画]]であり、同名の短編集としても知られています。この作品は1986年に双葉社から発行され、江口の2冊目の短編集でもあります。特に注目すべきは、作品群が「フレッシュジャンプ」に掲載されていた『江口寿史の日の丸劇場』を中心とした短編から構成されている点です。実際には他の短編も収録されており、多様なスタイルとユーモアが楽しめる内容となっています。

背景と特徴

『寿五郎ショウ』が双葉社から発売された理由は、当時の集英社には大判での発行が不可能だったことに起因します。この短編集は江口が自ら選び抜いた作品で構成されており、自信に満ちた内容となっています。作者は、「面白くないと思うならお金を返す」という言葉を残しており、作品に対する情熱が伺えます。江口は週刊連載の制約から解放され、独自の実験的なアプローチを模索した結果、この短編集を世に送り出したとも言えるでしょう。のちに続く『江口寿史のなんとかなるでショ！』や『江口寿史の爆発ディナーショー』とともに、「ショー三部作」として広く愛されています。

収録作品の紹介

本短編集には様々な短編が収録されています。

• - LIVE '83：漫画のライブを描いた作品で、現実にはあり得ないストーリー展開が魅力です。
• - 意味なし芳一：パロディ要素が強い作品で、フォークソングの流行遅れを取り上げています。
• - THE HORROR：ホラーや怪談をユーモラスに表現した短編。
• - 怪獣王国：怪獣映画をパロディ化し、科学防衛隊との戦いを描いています。
• - 寿五郎の正直日誌：江口自身のモデルとなったキャラクターが日記風に描かれるユニークな作品。
• - 下品な一家、さらに下品な一家：それぞれの家族の物語を描いた作品で、家族のダイナミクスを面白おかしく表現しています。
• - ふたりのサンゴ礁：無人島に漂着した男女の物語。
• - ハァドボイルド：探偵を主人公にしたハードボイルドのパロディ。
• - 理由なき反抗：ボクサーを主人公にした作品で、あしたのジョーへのオマージュが感じられます。
• - 寿五郎ショウ：短編群の集合であり、様々なキャラクターが個性的なエピソードを繰り広げます。

これらの作品はそれぞれ独立した内容でありながら、全体として江口のギャグセンスや風刺が息づいています。

主な登場人物

この短編集には多くの個性的なキャラクターが登場します。

• - 寿五郎（ことぶき ごろう）：江口の分身ともいえる漫画家キャラクターで、作品全体に登場します。
• - 一の瀬博士：怪獣王国のキャラクターで、いつも博士役を担います。
• - 霧島隊長：科学防衛隊の隊長で、ユニークな制服を身にまとっています。
• - 毒島：探偵キャラクターで、ハードボイルドな雰囲気を持っています。
• - 下品な一家のキャラクターたち：偏見に満ちたアメリカ人家族で、面白おかしいストーリー展開を見せます。

OVA化と影響

1991年には『江口寿史の寿五郎ショウ』としてOVA化され、短編集の人気作品が映像化される形で広く親しまれています。これにより、江口寿史の作品がさらなるメディア展開を果たし、ファン層を広げました。

『寿五郎ショウ』は、江口寿史の代表作の一つであり、特にそのユーモアセンスや独自のキャラクターたちは、日本の漫画界において多大な影響を与え続けています。

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