寿城池

寿城池の概要

寿城池（スソンいけ）は、韓国の大邱広域市寿城区にある農業用の貯水池です。元々は農業利用を目的に造られましたが、今では遊覧船やベンチが備わったレジャーの場として、多くの人々に親しまれています。

歴史的背景

寿城池の創設者は日本人の水崎林太郎です。彼は1914年に朝鮮に渡り、初めは花栽培に成功した後、旱魃や洪水によって荒れた土地を改良するために貯水池の建設を決意しました。水崎は、朝鮮総督府からの支援を受けつつ、自らの財産も投じ、約10年かけて寿城池を完成させました。

池の面積は約6万坪、ここでの農業によって変わった土地は250万坪にも及ぶとも言われています。水崎の農園では、花、野菜、果物のリンゴや米、麦など多様な作物が栽培され、多くの地元の農民が集まり働く場となりました。また、韓国の花屋も頻繁に訪れるようになり、経済活動が活発化しました。水崎と並ぶ大地主であった徐寿仁も、彼の良き友として寿城池の建設に協力しました。

水崎は1939年までこの池の管理に携わり、その死後は遺言に従い寿城池を見下ろす場所に埋葬されました。しかし、日本の敗戦後、農民たちは墓の管理を続けていましたが、墓地は流失し墓碑のみが残る状態となりました。後に水崎と親しい韓国人の家族によって墓が修復され、現在も毎年追悼式が行われています。

寿城池に関する異論

一方で、寿城池に関する歴史には異なる見解も存在します。例えば『慶尚道地理志』では、寿城池は「屯洞堤」とされ、1468年に水利池が造られたと記録されています。これに対し、一部では寿城池を日本が建設したとする主張に反論があり、記録の整合性を基に、大邱市は寿城池を日本人が造った池と紹介しています。

日韓交流

2015年には水崎林太郎の100年祭と彼の没後75周年、日韓国交正常化50周年、終戦70年といった重要な節目を祝う追慕祭が行われました。このイベントには水崎の子孫や大使館関係者、地方自治体の長らが参加し、日韓の友好を再確認する機会となりました。

施設と現状

寿城池には航空機のアートがあり、ロッキード L-1011 トライスターの旧機体が設置されています。この機体はもともとレストランとして活用されていましたが、後にカフェやかき氷専門店に生まれ変わるなど、用途が変化してきました。2016年には小規模な火災が発生したものの、大きな被害はなく、その後改装も行い再オープンしました。

寿城池は歴史的な背景と共に、観光スポットとしても魅力的な場所となっています。

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