専門学務局

専門学務局は、戦前期の文部省に存在した内部部局の一つです。1881年（明治14年）10月24日に、文部省達によって官立学務局、地方学務局、内記局が廃止され、新たに専門学務局、普通学務局、庶務局内記課が設置されたことに始まります。

専門学務局は、大学校、専門学校、農学校、商業学校、職工学校、高等師範学校、学士会院、海外留学生といった高等教育機関や特殊教育に関する事務を管掌しました。局内には、旧官立学務局と同様に取調係、庶務係、記録係が置かれ、業務を分担しました。ただし、旧官立学務局が担当していた内外博覧会に関する業務は、庶務局に移管されました。

1883年（明治16年）9月1日には、文部省専門学務局事務取扱規則が定められ、各係の担当業務がより詳細に規定されました。しかし、1885年（明治18年）2月9日、専門学務局は一度廃止され、その業務は学務一局に引き継がれました。同年12月28日には、学務一局が普通学務局を統合し、学務局となりました。その後、1887年（明治20年）10月5日には、学務局が再び専門学務局と普通学務局に分割されました。このように、専門学務局は短期間に設置と廃止、再編を繰り返しています。

1897年（明治30年）11月1日には、専門学務局は高等学務局と実業学務局に分割されましたが、翌年の11月1日には再び専門学務局に再統合されました。しかし、1900年（明治33年）4月1日には、専門学務局から実業学務局が再度分離されました。このように、教育行政の必要に応じて、組織の分割・統合が繰り返されたことがわかります。

専門学務局は、1942年（昭和17年）11月1日に改編され、専門教育局となりました。これにより、専門学務局としての歴史に幕を閉じました。

歴代の専門学務局長には、濱尾新をはじめ、牧野伸顕、木下広次、菊池大麓、高田早苗、上田萬年、松井直吉、福原鐐二郎、松浦鎮次郎、粟屋謙、西山政猪、赤間信義、伊東延吉、山川建、石黒英彦、関口鯉吉、永井浩など、多くの人物が名を連ねています。これらの局長たちは、それぞれの時代における教育行政を担い、日本の教育制度の発展に貢献しました。

専門学務局の変遷は、日本の教育制度がどのように変化してきたかを示す一例と言えるでしょう。特に高等教育や専門教育の分野において、専門学務局が果たした役割は大きく、その歴史を辿ることは、戦前期の日本の教育行政を理解する上で重要な要素となります。

参考文献として、『明治以降教育制度発達史』や『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』、『日本官僚制総合事典』などが挙げられます。これらの文献は、専門学務局に関する詳細な情報を提供しており、研究や調査において非常に役立つ資料です。

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