射鵰英雄傳 (ゲーム)

射鵰英雄傳（PlayStation）

『射鵰英雄傳』は、2000年11月30日にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPlayStation用RPGです。中国の作家・金庸が1957年に発表した武俠小説『射鵰英雄伝』を原作としています。

概要

舞台は11世紀の中国。南宋、金、モンゴルの三勢力が争う時代を背景に、モンゴルで育った少年・郭靖が、武術書「九陰真経」を巡る争いに巻き込まれていく物語です。ストーリーは原作の展開をベースにしつつも、終盤にはゲームオリジナルの展開が盛り込まれています。

キャラクターデザインはアニメ調ですが、敵役の欧陽鋒などは怪物のような造形になっている点が特徴です。また、原作では重要な役割を果たすジンギスカーンが登場しないため、彼の娘であるコジンが普通の村娘として登場するなど、一部設定が変更されています。

ストーリー

時は11世紀。中国大陸では、北部からの侵攻勢力である金国と南宋が激しく対立していました。主人公の郭靖は、父を金の将軍に殺された後、母と共にモンゴルでひっそりと暮らしていました。父の仇を討つべく武術を磨く郭靖の前に、江南七怪と名乗る武術家たちが現れます。この出会いをきっかけに、郭靖は江南七怪に弟子入りし、武術の腕を上げて旅に出ます。旅の途中で様々な人々との出会いを経て、郭靖は英雄への道を歩み始めますが、その先には過酷な運命が待ち受けています。

ゲームシステム

ゲームシステムは、オーソドックスなロールプレイングゲームです。敵を倒すとレベルアップし、新たな必殺技を習得できます。必殺技の中には、原作にはないゲームオリジナルの技も存在します。

プレイヤーは主人公の郭靖を操作し、最大2人のパーティを組んで戦います。「外功」がHPに相当し、これが0になるとゲームオーバーになります。戦闘はターン制で進行し、敵味方が「外功」「内功」「軽功」の3種類の攻撃方法を駆使して戦います。「外功」は、HPを表す他に、攻撃方法としての「外功系武功」の二つの意味を持っています。「内功」と「軽功」は使用するとそれぞれ「内功値」「軽巧値」を消費します。

3つの武功には三すくみの関係があり、「外功」は「軽功」に強く、「軽功」は「内功」に強く、「内功」は「外功」に強いという特徴があります。そのため、敵との相性によって苦戦することも考えられます。

各武功のモーションは、香港映画のカンフーやワイヤーアクションを参考にしています。また、特殊なアイテムを装備することで、「くせ」と呼ばれる特殊な行動（昼寝、飲酒、激怒、忘却、説得など）を取ることもあります。

ナレーションや台詞は全て北京語で収録されており、日本語には対応していません。ただし、ゲーム開始時に字幕を日本語または中国語（繁体字、簡体字）から選択することができます。

登場人物

郭靖 (かくせい)
本作の主人公。幼い頃に父を金の兵士に殺され、母と二人でモンゴルで暮らしています。正義感が強い18歳。
黄蓉 (こうよう)
本作のヒロイン。明るく自由奔放な性格で、武術にも長けています。郭靖に好意を抱いている15歳。

評価

このゲームは、ソニーが中国市場でのPlayStationの普及を目指して制作したタイトルであり、中国ではソニー製の中国を舞台としたゲームとして歓迎されました。しかし、公式に販売されたのは5万枚程度に留まり、一方でコピー市場では120万枚が流通したとされています。

関連項目

* 英雄譚 (PlayStation)

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