小マゼラン雲

小マゼラン雲について

小マゼラン雲（しょうマゼランうん、英語: Small Magellanic Cloud, SMC）は、南半球のきょしちょう座に位置する銀河です。この銀河は、棒渦巻銀河の一種として分類されており、時には不規則銀河としても扱われます。小マゼラン雲は、大マゼラン雲と共に銀河系の伴銀河として知られ、アンドロメダ銀河など他の銀河と共に局所銀河群を形成しています。

呼称について

小マゼラン雲は、「小マゼラン星雲」と呼ばれることもありますが、これは英語名の訳に基づくもので、正確には「小マゼラン雲」と表記するべきです。また、日本変光星観測者連盟（VSOLJ）では「小マゼラン銀河」という呼称も用いられており、ラテン語では「Nubecula Minor」として知られています。

歴史的背景

小マゼラン雲は古代から南半球の人々によって知られていましたが、具体的な発見者はありません。「マゼラン雲」の名称は、ポルトガルの航海家フェルディナンド・マゼランが1519年に行った世界周航の際に記録したことに由来しています。それ以前にはこの天体を「ケープの雲」と呼ぶ航海者が多く、1503年から1504年にかけてイタリアの探検家アメリゴ・ヴェスプッチが言及した「3つのカノープス」の中の一つがこの小マゼラン雲であるとされています。

さらに、1603年にはドイツの法律家ヨハン・バイエルが『ウラノメトリア』という星図において「Nubecula Minor」と記載し、1679年にはフランスの建築家オギュスタン・ロワーエが「Nubes Minor」という名称を使いました。1801年にはドイツの天文学者ヨハン・ボーデがこの名称を踏襲し、独立した星座として小マゼラン雲を扱いました。なお、中国の古代の星座体系にはこの雲は含まれていませんが、南天の星座追加後には「附白」として対応する星官が設けられました。

概要

小マゼラン雲は、南半球に位置するため日本からは観測することができません。しかし、南半球ではぼんやりとした雲のような形で見ることができます。この銀河は、太陽系から約20万光年離れた位置にあり、その質量は銀河系の約6分の1とされています。

まとめ

小マゼラン雲は、南天の空において非常に特異な存在であり、科学者や天文学者にとっても重要な研究対象となっています。その位置や独特な性質により、銀河系の理解に新たな視点を提供してくれる銀河です。

もう一度検索