小久保藩

小久保藩の概要

小久保藩（こくぼはん）は、日本の明治維新期に存在した短期間の藩で、上総国天羽郡小久保村、現在の千葉県富津市小久保に藩庁を置いていました。この藩は1868年に遠江相良藩の田沼家が移封される形で成立したものの、1871年の廃[[藩置県]]で姿を消しました。藩の石高は1万石以上でした。

歴史的背景と設立

1868年、徳川宗家当主の家達は新政府により駿府藩主として認められ、領地は駿河と遠江に設定されました。この流れにより、駿遠の藩が房総へと移転することになりました。同年の9月23日に、遠州相良藩主である田沼意尊は、上総国周准郡及び天羽郡に新たな領地を与えられ、小久保藩が成立しました。

小久保陣屋は明治2年（1869年）に建設が始まりました。同年の1月に田沼意尊は東京へ転居し、新しい居所の整備を待つことになります。翌6月24日には版籍奉還が行われ、意尊は小久保藩知事に任命されました。しかし、彼は同年の12月に病気で亡くなり、最勝福寺に埋葬されました。

その後、養嗣子である田沼意斉が家督を相続し、明治3年（1870年）には小久保藩知事に就任しました。藩では10月に立藩学校「盈進館」を設立し、士族の子弟や平民の入学も受け入れ、英語教育が行われました。

廃[[藩置県]]とその後

明治4年（1871年）7月14日、小久保藩は廃[[藩置県]]により消滅し、小久保県が新たに設置されました。その後、同年の11月に小久保県は木更津県と統合されました。

藩主について

小久保藩は田沼家が藩主を務めました。歴代藩主には田沼意尊とその養嗣子の田沼意斉がいて、藩は約1万1270石を有しました。

陣屋と陣屋町

小久保村には、鎌倉時代に創建された真福寺があり、藩庁や役所、学校などが構成された小久保陣屋が設置されました。陣屋は真福寺の対岸、現在の富津市中央公民館近くにあたる場所に位置し、そこには「小久保藩陣屋跡」と記された記念碑があります。この地には、120戸の藩士とその家族らが住んでいましたが、小久保藩の期間はわずか4年間でした。その後、町村制の施行により、小久保は大貫村に組み込まれました。

明治6年（1873年）には盈進館跡地に小久保小学校が設立され、現在の富津市立大貫小学校の前身となっています。

藩の成果と影響

小久保藩は短期間しか存在しなかったものの、教育制度の整備を進め、士族だけでなく平民にも学びの機会を提供しました。その取り組みは当時の地域社会に一定の影響を及ぼしたと言えるでしょう。また、藩の陣屋があった地域は後の町の発展にも寄与しています。

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