小児歯科学

小児歯科学とは

小児歯科学は、生まれたばかりの赤ちゃんから、永久歯が生えそろう時期までの子供たちを対象とした歯科学の一分野です。子供の成長発育という視点から、顎や口腔の健康を総合的に研究し、疾患の予防や治療を行います。

小児歯科学の対象年齢

小児歯科学が対象とするのは、生後間もない時期から二次成長期を終えるまでの子供たちです。この時期は、心身の発達が著しく、口腔内の状態も大きく変化します。

小児歯科学の特徴

小児歯科学では、子供の身体的な成長だけでなく、精神的な発達も考慮した上で治療を行います。子供は大人と比べて、歯科治療に対する不安や恐怖心が強いため、心理的なケアも重要となります。また、小児の成長発育は全身に及ぶため、小児科学との連携も不可欠です。

小児歯科学の歴史

小児歯科学は、18世紀のヨーロッパにおいて、孤児院から発展した小児病院での口腔疾患の研究・臨床から始まりました。日本においては、1955年頃に日本大学歯学部矯正科で保育歯科が設立されたのが始まりです。その後、1956年には東京医科歯科大学に小児歯科学講座が設立され、1967年には歯学部教育における必須科目となりました。

小児の発育段階

小児歯科治療を行う上で、子供の身体的・精神的な発達段階を考慮することは非常に重要です。骨年齢や歯齢などを指標として、発育の程度を評価します。

ヘルマンは、小児の咬合発育段階をI～Vまでの5段階に分類し、さらにそれぞれをA (attained) とC (commenced) の2段階に分類しました。第III期のみB (between A and C) 段階が設定されています。

IA: 乳歯萌出前期
IC: 乳歯咬合完成前期
IIA: 乳歯咬合完成期
IIC: 第一大臼歯・前歯萌出期
IIIA: 第一大臼歯・前歯萌出完了期
IIIB: 側方歯群交換期
IIIC: 第二大臼歯萌出期
IVA: 第二大臼歯萌出完了期
IVC: 第三大臼歯萌出期
VA: 第三大臼歯萌出完了期

小児歯科学会

小児歯科学に関する研究や情報交換を行う学会として、日本小児歯科学会があります。小児歯科医療の発展に貢献しています。

関連事項

小児歯科
日本小児歯科学会

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