小原玲

小原玲：報道から動物へ、写真で語る命の輝き

小原玲（おはら れい、1961年2月2日 - 2021年11月17日）は、日本の著名な動物写真家です。愛知県名古屋市を拠点に活動していました。小説家であり、椙山女学園大学教授である堀田あけみを妻に持ちます。

生い立ちと報道写真家としてのキャリア

東京都文京区で生まれ、5歳で群馬県へ移り住み、渋川市や吉岡町で幼少期を過ごしました。吉岡町立吉岡中学校、群馬県立前橋高等学校を経て、茨城大学人文学部社会科学科を卒業しました。

大学卒業後、創刊間もない写真週刊誌『FRIDAY』でエースカメラマンとして活躍し、数々の重大事件の現場に立ち会いました。田中角栄元首相の入院、日航機御巣鷹山墜落事故、ロス疑惑における三浦和義の逮捕など、社会を揺るがす出来事を報道写真として記録しました。

しかし、次第に『FRIDAY』が芸能ゴシップ中心の誌面へと変化していくにつれて、小原は報道写真家としての活動に疑問を抱くようになります。ビートたけしとたけし軍団によるフライデー襲撃事件を機に同誌を退社しました。

戦場から動物写真家への転身

退社後、アメリカの通信社と専属契約を結び、報道写真家として再び世界各地の紛争地へ赴きました。天安門事件、湾岸戦争、ソマリアの飢餓など、戦場や紛争、貧困といった厳しい現実を目の当たりにしました。天安門事件を捉えた写真は、LIFE誌の「The Best of LIFE」に選出されるなど、高い評価を得ました。

しかし、戦場で人の死を撮り続けることに疲弊し、アザラシのポストカードを目にしたことをきっかけに、動物写真家への転身を決意しました。

アザラシ、ホタル、シマエナガ…命の輝きを求めて

国内外の雑誌で活動した後、アザラシの赤ちゃんとの出会いを契機に、本格的に動物写真家としてのキャリアをスタートさせました。1990年に発表した写真集『アザラシの赤ちゃん』（ネスコ/文藝春秋）は、日本中で大ヒットを記録し、アザラシの赤ちゃんブームを巻き起こしました。

その後、小原は日本各地でホタルの撮影に情熱を注ぎました。写真集『螢 Light of a Firefly』（ワニブックス、2002年）や『ほたるの伝言』（教育出版、2010年）などを発表し、NHKハイビジョン特集「ホタル舞う日本ーホタル前線を行く」などでも紹介されました。

また、北海道に生息するシマエナガの愛らしい姿を捉えた写真集『シマエナガちゃん』（講談社、2016年）も人気を博しました。さらに、シロクマの親子の物語を写真で表現した『うみへのながいたび』は、小学1年生の国語の教科書（教育出版）にも掲載され、子供たちに自然の素晴らしさを伝えています。

地球温暖化への警鐘

20年以上にわたりカナダの流氷を撮影し続けた小原は、地球温暖化による流氷の変化を目の当たりにし、環境問題にも強い関心を抱くようになりました。写真集や講演会を通じて、地球温暖化の現状を伝え、警鐘を鳴らしました。

晩年と遺志

2021年11月17日、肺癌のため60歳でこの世を去りました。3児の父親でもありました。弟子には、志葉玲からの紹介で出会った藍沙（志葉と増山麗奈の娘）がいます。

小原玲は、報道写真家として社会の現実を伝え、その後、動物写真家として命の輝きを写し続けました。その作品は、私たちに自然の美しさ、そして地球環境の重要性を教えてくれます。

メディア出演

小原玲は、数々のドキュメンタリー番組やバラエティ番組にも出演しています。

ドキュメンタリー
「ノンフィクション」（フジテレビ）
「夢の扉 〜NEXT DOOR〜」（TBSテレビ）
「ジャングル・ジャングル」（テレビ東京）
「ワイルドライフ」（2022年4月4日、NHK BSプレミアム）

バラエティ
「明石家さんまの転職DE天職7」（2018年4月29日、日本テレビ）
「誰も知らない明石家さんま 第10回記念」（2024年12月1日、日本テレビ）

外部リンク

小原玲 WEBフォトギャラリー
小原玲（動物写真家）のブログ
小原玲 (@reiohara) - X（旧Twitter）
アザラシの赤ちゃんch
* 動物写真家 小原玲のメルマガ 「好き！」を美しく撮りたい - foomii

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