小原聖子

小原聖子：スペインギター音楽の継承者

小原聖子（おばら せいこ、1943年1月3日 - ）は、日本を代表するギタリストの一人です。幼少より父である小原安正に師事し、14歳でプロデビューを果たしました。その後、来日した巨匠ナルシソ・イエペスの目に留まり、17歳でスペインへ渡り、本格的にギターの研鑽を積みます。

スペイン三大巨匠との出会い

スペインでは、ナルシソ・イエペスに直接師事する傍ら、マドリード音楽院に特別入学し、ギター科主任教授のR・S・デ・ラ・マーサに師事しました。さらに、アンドレス・セゴビアにも個人レッスンを受けるという幸運に恵まれ、スペインギター音楽界の三大巨匠から直接指導を受けるという、稀有な経験を積んでいます。

国際的な演奏活動と教育活動

帰国後は、ギター作品の本邦初演や、1957年のカーネギーホールでのリサイタルを皮切りに、欧米、日本各地で精力的なコンサート活動を展開しました。その卓越した演奏技術と、スペイン音楽への深い理解は、多くの聴衆を魅了しました。

また、教育者としても、その才能を発揮しています。NHK教育テレビ「ギターをひこう」の講師を1978年と1980年に担当し、スペインの伝統奏法を日本に広める活動に尽力しました。当時、世界的に見てもスペイン伝統奏法を教えることができる指導者は少なかったため、小原の功績は非常に大きいと言えるでしょう。

情熱的な指導によって、数多くの優秀な門下生を育て、東京国際ギターコンクールをはじめとする様々なコンクールで入賞者を輩出しています。

コンクール審査員、日本ギター連盟副会長としての活動

1975年より東京国際ギターコンクールの審査員を務め、現在は公益社団法人日本ギター連盟副会長として、コンクールの運営に携わっています。若手ギタリストの育成と、ギター音楽の普及に力を注いでいます。

ディスコグラフィーと著作

これまでに、数多くのアルバムをリリースしており、代表的なものに「Romantic Guitar〜母の涙〜」（1997年）などがあります。また、ギター教本「こどもギターきょうしつ」1 - 3、「ギターの世界」などの著作も発表しています。

小原聖子は、演奏家としてだけでなく、教育者、コンクールの主催者として、日本のギター音楽界に多大な貢献をしてきた人物です。彼女の情熱と才能は、次世代のギタリストたちに受け継がれていくことでしょう。

アルバム
Romantic Guitar〜母の涙〜（1997年8月21日）

外部リンク
日本ギター連盟正会員のプロフィールページ
* 小原聖子ギターアカデミー

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