小坂佳隆

小坂佳隆：広島カープを支えた名二塁手

小坂佳隆（こさか よしたか）氏は、1935年10月12日、神奈川県で生まれました。1987年3月1日、脳出血のため51歳でこの世を去りました。プロ野球選手として広島東洋カープに在籍し、華麗なプレーで多くのファンを魅了した二塁手です。愛称は「ピョンちゃん」。

華麗なる学生時代とプロへの道

小坂氏は法政二高で野球を始め、2年生の時には夏の甲子園に出場。チーム初出場という快挙を成し遂げました。1回戦で敗れはしましたが、その活躍は多くのスカウトの目を引きました。卒業後は法政大学に進学。東京六大学野球リーグでは優勝には手が届きませんでしたが、1年生の秋季リーグからレギュラーとして活躍。強肩と俊足を武器に、リーグ屈指の二塁手として名を馳せました。当時の東京六大学野球界では戦後最高の二塁手と評されるほどのスター選手でした。

大学卒業後、多くの球団から誘いを受けましたが、小坂氏は当時まだ発展途上だった広島カープへの入団を選びました。その理由として、小坂氏は田舎球団である広島でじっくりと野球に取り組める環境を理想的だと考えていたと伝えられています。

広島カープでの活躍と引退

1958年、広島カープに入団した小坂氏は、すぐにレギュラー二塁手として活躍。1年目から規定打席に到達するなど、チームの中心選手として活躍しました。1962年には、チームのリードオフマンとして起用され、その卓越した守備でベストナインを獲得。華麗なプレーだけでなく、勝負強い打撃でもチームを勝利に導きました。1963年までレギュラーとして活躍しましたが、1964年以降は故障の影響もあり、出場機会が減少。1965年、わずか30歳で現役を引退しました。監督候補として期待する声もあったものの、小坂氏は未練なく野球界を去りました。

野球への情熱と独特の精神修養

小坂氏は、プレーにおいて集中力を最も重要視していました。精神統一のため、前衛書道をたしなみ、広島県美術展に3年連続入選するほどの腕前でした。さらには、筆先の動きと打撃フォームの共通点を見出すなど、独自の精神修養方法を持っていました。

引退後と最期

引退後は地元・横浜市でうなぎ屋を営んでいましたが、1987年3月1日、脳出血のため51歳で亡くなりました。

小坂佳隆氏は、強肩と俊足、そして卓越した守備力を持つ名二塁手でした。寡黙でストイックな性格で知られ、常に野球に真剣に取り組む姿勢は、多くのチームメイトやファンに感銘を与えました。広島カープ発展に貢献した功績は、今もなお語り継がれています。彼の野球人生は、努力と情熱、そして集中力の大切さを教えてくれる、貴重な物語です。 小坂佳隆氏の功績は、広島カープの歴史に永遠に刻まれています。

もう一度検索