小堀の渡し

小堀の渡し

小堀の渡し（おおほりのわたし）は、茨城県取手市において利根川の両岸を結ぶ渡し船です。この渡し船は、利根川右岸に位置する小堀地区と、市域の大部分を占める左岸側との交通手段として重要です。渡し船の名前は、小堀地区が右岸に分断されたことに由来しています。

背景

小堀地区は、1914年に利根川の大規模な改修工事が行われた際に左岸と右岸に分断されました。この分断により、住民たちは移動の不便さを解消するため、自主的に渡し船の運航を始め、これが小堀の渡しの起源となります。

歴史

小堀の渡しの歴史は、1952年から始まりました。最初の木造船「さくら丸」が就航し、1967年には取手町が運航を引き継ぎ、公営の渡し船として正式に認可されました。1972年には初代の鉄製渡船「とりで号」が就航し、1989年には二代目の「とりで号」が運行を開始。1996年には住民以外の利用も可能になり、1999年には小堀循環バスも運行されるなど、交通網が充実していきました。

運航は有料化され、2001年には利用者数が減少したものの、市営のままで運航業務は民間に委託され、2020年には三代目の「とりで号」が現役の船として運航を続けています。

運航情報

小堀の渡しは、毎日午前9時から午後5時まで運航しており、運航区間は小堀から取手緑地運動公園駐車場前、さらに取手ふれあい桟橋を経由して小堀に戻るルートです。便数は小堀発が午前9時から午後4時までの7便、取手ふれあい桟橋発も同様に7便運航されています。定員は12名で、自転車や原付も乗船可能ですが、スタンドが付いたものでなければなりません。また、運休日は毎週水曜日と年末年始の期間となっています。

利用料金は、1運航路につき200円（小学生は100円）で、どの船着場から乗船しても一周400円（小学生は200円）で乗船できます。小堀地区の住居者、未就学の幼児、介護が必要な人とその介護者は無料で利用できる特典があります。

小堀地区の歴史的背景

小堀地区は、江戸時代には相馬郡井野村の一部、現在の取手市街にも接していましたが、利根川が蛇行しており、古利根沼が存在するために交通が不便でした。1911年から1920年の間に行われた改修工事により川の流れが現在の形に変わったことで、小堀地区は左岸の取手市と完全に隔てられることになりました。

このような背景から、小堀地域の住民たちは渡し船を運航し、水道事業についても我孫子市から水を供給される体制が敷かれています。周辺には成田国際航空専門学校や乗馬クラブなどもあり、地域の特色を形成しています。

結論

小堀の渡しは、取手市にとって重要な交通手段であり、地域のつながりを維持する役割を果たしています。今後もこの渡し船が地域住民や訪れる人々にとって、便利で大切な存在であり続けることを期待します。

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