小堀政恒

小堀 政恒の生涯と業績

小堀政恒（こぼり まさつね）は、江戸時代前期の近江国小室藩の大名であり、その家元として茶道にも深い関わりを持つ人物です。彼は1682年に朝鮮通信使の接待役を務めるなど、さまざまな官職を歴任しました。彼の番号は「宗実」で、家格を見ても茶道に対する情熱が伺えます。

生い立ちと家族背景

小堀政恒は、前藩主である小堀正之の長男として生まれました。母親は森川氏之の娘であり、政恒は幼名を主繕、初名を政延と名乗っていました。彼の家系は代々小室藩を治め、遠州流茶道の家元としても知られています。

大名としての役割

延宝2年（1674年）、父の死去により政恒は藩主としてその地位を引き継ぎました。彼の治世中には、様々な公務をこなしました。特に著名なのは、天和2年に行われた朝鮮通信使の接待や、元禄4年の日光東照宮の祭礼奉行としての活動です。

政恒は臨時で駿府加番を務めたこともあり、御詰衆や田安御門番など、要職を歴任しました。これらの役職を通じて、彼は行政や国際交流にも寄与し、近江国の地位を高めるために尽力しました。

生涯の終わり

しかし、政恒の人生は短く、元禄7年（1694年）元旦に江戸城に登城する際に急病に見舞われ、その翌日に江戸屋敷で旅立ちました。享年は46歳で、彼の法号は法源院です。彼の墓所は滋賀県長浜市にある孤蓬庵で、次男の小堀政房が藩主職を引き継ぎました。

茶道への貢献

政恒は茶道にも深い関心を持ち、特に書道は藤田乗因に、茶法は父の小堀正之から学びました。彼の茶道に対する愛情は、『土芥寇讎記』という書物にも記されており、そこでは「（政恒は）茶の湯を好む」との記録がありますが、彼自身が茶道の家元であるためこの記述はやや皮肉を含んでいるとも考えられます。

家族と系譜

小堀政恒の家族は、妻である正室円鏡院が土岐頼行の娘であり、側室として真光院が青山氏との結びつきを持っていました。彼には六男と四男、そして数人の娘がいました。その中でも四男の政房は政恒の跡を継ぎ、家族の名をさらに栄えさせることとなります。

政恒が享年の若さで亡くなった後も、小堀家はその子孫を通じて日本の歴史に影響を与え続けました。

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