土岐頼行

土岐頼行：激動の時代を生き抜いた大名の生涯

土岐頼行（とき よりゆき）は、江戸時代前期に活躍した大名であり、槍術家としても名を残しました。摂津高槻藩の2代藩主として生まれ、後に下総相馬藩主、そして出羽上山藩主へとその地位を移しながら、激動の時代を生き抜きました。沼田藩土岐家の2代目としても知られています。

生涯

慶長13年（1608年）、摂津高槻藩の初代藩主・土岐定義の長男としてこの世に生を受けました。元和5年（1619年）に父が亡くなると、家督を継承しますが、幼少であったため、摂津高槻2万石から下総相馬1万石へと減封されるという苦難を経験します。しかし、寛永元年（1624年）には従五位下山城守に叙位・任官し、寛永5年（1628年）には1万5000石を加増され、出羽上山2万5000石へと加増移封されました。

上山藩主となってからは、その手腕を発揮し、検地や羽州街道の整備、城下町の整備などを精力的に実施し、藩政の基礎を固めました。また、朝鮮通信使の饗応役や大坂城番、甲府勤番なども歴任し、幕府からの信任も厚かったことがうかがえます。文化人としての側面も持ち合わせており、寛永6年（1629年）から寛永9年（1632年）にかけては、紫衣事件で処罰された沢庵宗彭の身柄を預かり、手厚く保護しました。

頼行は、当初次男の頼長を嫡男としていましたが、その不行跡と病弱を理由に廃嫡しました。延宝6年（1678年）に長男の頼殷に家督を譲り、隠居して宗是と号しました。貞享元年（1684年）に77歳でその生涯を閉じました。

槍術家としての一面

土岐頼行は、大名としての手腕を発揮する一方で、槍術家としても名を馳せました。松本一指に師事し、自得記流という独自の流派を創始しました。

系譜

父：土岐定義
母：諏訪頼水の娘
正室：伊丹康勝の娘
側室：福山氏
子女：
土岐頼殷（長男） - 母は福山氏
土岐頼長（次男）
土岐頼賢
田中定格継室
円鏡院 - 小堀政恒正室

土岐頼行は、激動の時代を生き抜き、大名として、また文化人、槍術家として多岐にわたる才能を発揮しました。その生涯は、江戸時代前期の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

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