小堀正次

小堀正次の生涯

小堀正次（こぼり まさつぐ）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、備中国松山藩の初代藩主としても知られています。彼は1540年、近江国小堀村（現在の滋賀県長浜市）にて、垣見正房の次男として誕生しました。生家は武士として名を馳せていましたが、正次は若い頃に出家を選びました。しかし、その後再び俗世に戻り、磯野員昌の娘と結婚します。

正次の運命は、彼が仕えた藩主たちとの関係によって大きく変わります。彼の義父である員昌が浅井家から離反したことで、正次は再び出家を考えるものの、その後、羽柴秀長に仕官する運命を迎えます。初めは1,000石の領地からスタートした正次は、秀長・秀吉のもとでの政治的手腕を評価され、紀伊国や大和国での検地代官に任命されました。これらの地域では寺社勢力が強く、検地は容易ではなかったため、彼の能力が重宝されました。この功績により、彼は領地を段階的に増やし、最終的には5,000石に達しました。

慶長5年（1600年）、関ヶ原の戦いでは東軍に加わり、会津征伐に従軍。この戦いは日本の歴史において重要な転換点であり、正次はその一員として活躍しました。戦後、彼は備中松山において1万4,000石を与えられ、徳川直轄領の管理業務も任されることになりました。彼の検地における功績は、幕府の信任を得る要因となり、慶長6年（1601年）には伏見城の作事奉行をも務めました。

残念ながら、慶長9年（1604年）、江戸へ参勤の途中で藤沢にて急死します。彼の死により長男の小堀政一が家を継ぐこととなりました。

系譜

小堀正次の系譜は、彼の生涯を語る上で重要な側面です。彼の父は垣見正房、母は浅井氏であり、正室には磯野員昌の娘を迎えました。子供には、長男の小堀政一のほかにも、小堀正行、小堀正長、小堀正春、小堀宗栄といった男子がいました。また、女子には伊東と田中にそれぞれ嫁いだ子女がいます。

小堀正次は、戦国時代から江戸時代への移り変わりの時期において、重要な役割を果たした武将であり、その政治的才能と戦略的思考は後世に名を残すこととなりました。彼の生涯は、当時の日本の動乱と同時に、光を放つ武将の人生の一端を物語っています。

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