小宮山宏

小宮山 宏（こみやま ひろし）

小宮山宏氏は、1944年12月15日に栃木県宇都宮市で生まれました。東京大学で化学工学を学び、1972年に工学博士号を取得しました。専門分野は化学システム工学、機能性材料工学、そして地球環境工学です。多岐にわたる研究を行い、特にCVD（化学蒸着）による薄膜および超微粒子形成プロセス、地球温暖化問題への対策技術に注力しています。

職歴と貢献

小宮山氏は、1972年から東京大学で助手としてキャリアをスタートさせ、その後講師、助教授、教授に昇進しました。そして、2005年には東京大学の第28代総長に就任しました。総長在任中には「東京大学アクション・プラン」を策定し、教育の改革や学術の統合化を進め、現代のリベラルアーツを推進しました。退任後は三菱総合研究所の理事長に就任し、同機関でも多岐にわたるプロジェクトを推進しています。

小宮山氏はまた、2020年の東京大学総長選の選考会議議長を務めるも、一部候補者を恣意的に排除しようとした行動が批判され、議長を辞任する事態にも見舞われました。これにより、同氏のガバナンスに対する信頼は揺らぎましたが、その後も彼は科学研究や教育改革への貢献を続けています。

私生活とエコハウス

小宮山氏は環境保護の重要性を強く認識しており、実生活においてもその理念を実践しています。2002年に新築した自宅には複層ガラスや太陽光発電パネルを装備し、エコキュートなどを導入した「小宮山エコハウス」を完成させました。これにより、年間の光熱費を大幅に削減し、環境意識の高いライフスタイルを送っています。また、彼はハイブリッドカーも使用し、CO2排出削減に貢献しています。

さらに、小宮山氏はエコ目的で国が特定の事業に投資するために国債を発行し、その利益で償還を行う「自立国債」を提唱しています。このような取り組みは、持続可能な経済モデルの構築に寄与することを目指しています。

学歴と受賞歴

小宮山氏の学歴は、東京都立戸山高等学校卒業後、東京大学工学部化学工学科で学び、さらに大学院で博士号を取得するという充実したものでした。彼の業績は広く認識され、2003年には化学工学会学会賞を受賞し、2020年には瑞宝大綬章を受章したなど、多くの栄誉に輝いています。

著書も多く、環境問題に関するハンドブックや知識構造化に関する書籍など、主に科学技術に関連する内容が多岐にわたります。現在も、彼は社会に対する影響力を維持し続け、次世代への技術革新や持続可能な社会の実現に向けて活動しています。

小宮山宏氏の多様な業績と情熱は、未来の地球環境や技術の進化に向けて重要な貢献を果たしていると言えるでしょう。

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